France[Paris]
映画効果で脚光を浴びる和菓子職人の仕事
2017.09.19
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おにぎりや弁当、お好み焼きなど日本の食べ物が人気を博すパリ。その中で、和菓子はそれほど普及してこなかった。フランス人にとって小豆はチリコンカーンを想起させ、“甘く煮た豆”に抵抗感があったからだ。
ところが、2016年公開された映画「あん( 仏題は『東京の美味/ LesDélices de Tokyo』)」のヒットによって風向きが変わる。 早朝から手間暇かけてあんこを炊く仕事ぶりは、ブーランジェを彷彿とさせると共感を得た。
2016年秋オープンした「朋」は和菓子職人、村田崇徳さんとフランス人パティシエ、ロマン・ガイアさんがタッグを組んだフランス風どらやき専門店。正統派のどらやきを提供する一方で、「ユズ&レモン」「ニッカウヰスキークリーム」などラクトース(乳糖)フリーのフレンチ風どらやきも揃える。
「小豆の良さを知ってもらうために、まずは仕事風景を見てほしい」と、村田さんは客の目の前でどらやきを仕上げる。日本の食文化に追い風が吹いている今、日仏菓子融合の可能性を追求する店として注目を集めている。
(『料理通信』2017年8月号/「ワールドトピックス」より)
◎ TOMO 朋
☎ +33.(0)9.67.77.96.72
12:00~19:00
月曜休
http://patisserietomo.fr
プレーン 5ユーロ、ユズ&レモン 7.5ユーロ
text & photograph by Sakurako Uozumi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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