大人のためのおやつの時間 気鋭パティシエが手掛ける仏式アフタヌーンティー
France [Paris]
2023.12.21
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text by Sakurako Uozumi / photographs by Virginie Garnier(photo1,2)、Pepa Sion(photo3,4,5)
(写真)気鋭の若手パティシエ、ジェシカ・プレアルパトが提案する“仏式アフタヌーンティー”。温かいドリンクにビスキュイ+シュー菓子+タルト、アシエット・デセール、ガトー・ショコラ&アイスクリームの順に3段階でサービスされる。口直しにはフルーツも。供されるルイボスティーには、ナツメヤシ、イチジク、ハチミツ、アーモンド、バラのエッセンスをブレンド。
コーヒーを飲みながらゆったりと時を過ごす“カフェ文化”が盛んなフランスで、“ティータイムのスイーツ“は意外にも浸透していなかったように思う。グテ(Goûter)と呼ばれる子どものおやつや、パラスホテルのティータイムはあるが、「大人は間食しない」というのが通説だった。ところが2023年秋、著名パティシエであるセバスチャン・ゴダールやクリストフ・アダンが相次いでカフェをオープン。ティータイムに彼らのスイーツを楽しむパリっ子が増加中だ。
8区のプティホテル「サン・レジス(Hôtel San Régis)」では、ジェシカ・プレアルパト(Jessica Prealpato)が手掛けるアフタヌーンティー「おやつの時間(Le goûter du San Régis)」がスタートした。彼女はアラン・デュカスに見出された天才肌のパティシエで、2019年の「世界のベストレストラン50」と2020年版『ゴ・エ・ミヨ』でNo.1パティシエに選ばれた経歴の持ち主だ。素材の持ち味を最大限に活かしたナチュラル志向で、一見クラシックなお菓子も独創的なデザートに仕立てる。
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(写真)ジェシカ・プレアルパトは元三ツ星「アラン・デュアス・プラザ・アテネ(ADPA)」(2021年閉店)のシェフ・パティシエ。2024年4月からは、ルーヴル美術館内のカフェ「リシュリュー」のパティスリー部門の監修も務める。
提案するアフタヌーンティーは、サンドイッチやスコーンといった軽食を除いた、シュクレ(甘味)のみ。
「英国式のアフタヌーンティーは、甘味に行きつく前にお腹がいっぱいになってしまいます。ビスキュイからシュー、タルト、アシエット・デセール、ガトー・ショコラに至るまで、香りと味わいを存分に味わってもらいたいのです」とプレアルパトさん。
レストランのアシエット・デセールとは違う、彼女のお菓子の世界を堪能できるおやつの時間。スイーツファンの間ではこの話題で持ちきりだ。
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(写真)古代小麦を使い、シリアルでアクセントをつけたシュー生地の中に、甘くとろけるようなクリームがぎっしり。
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(写真)イチジクとカルダモンのタルト。甘さ控えめでハチミツとアーモンドの香りが引き立つ。タルトは月替わりで旬の果物を使う。

(写真)焼きたてのガトー・ショコラはニコラ・ベルジェのSAO TOME 65%のチョコレートを、アイスクリームはブルターニュのケルバスタード農園のミルクを使用。熱々のガトー・ショコラと冷たいアイスクリームが混然一体となって、うっとりするような味わい。
◎Hôtel San Régis
12 rue Jean Goujon, 75008 Paris
☎+33 1 44 95 16 16
Le goûter du San Régis 水曜〜土曜15:30〜17:30
Le goûter à la Française 65ユーロ(シャンパン1杯付き85ユーロ)
https://www.hotel-sanregis.fr/en/page/restaurant-champs-elysees.3029.html
*1ユーロ=160円(2023年12月時点)
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