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JOURNAL / 世界の食トレンド

インド文化への関心が高まる香港。郷土料理と繊細な手仕事が詰まったモダン・インド料理に注目

China[Hong Kong]

2024.06.24

インド文化への関心が高まる香港。郷土料理と繊細な手仕事が詰まったモダン・インド料理に注目

text by Rie Suzuki
(写真)香港で次々と人気レストランを手掛けるレストランターによるモダン・インド料理店「リーラ」。多様な郷土料理でゲストを楽しませてくれる。

近年、アジアで存在感を増すインド人旅行者。インド経済の成長に伴い、中間所得者が増加したことで外国旅行需要が拡大されたと考えられ、特に若年層の旅行者が増えている。2019年のインド観光省の統計によれば、過去10年間で旅行者は2.4倍に増加*。初めての外国旅行地には、近隣の東南アジアや中東を選ぶ傾向にあるという。

こうした背景の中、近年、香港では本格的なインド料理レストランが増えている。英国を旧宗主国にもつ香港では、かねてより香港に住むインド人向けのカジュアルな店が多く、地元香港人の嗜好に合わせてマイルドにアレンジして提供するなど、インド料理はローカルにとっても馴染みのある料理だ。

2023年11月、銅鑼湾(コーズウェイ・ベイ)にオープンした「リーラ(LEELA)」は、香港で次々と人気レストランを手掛けるレストランターによるモダン・インド料理店。店名はサンスクリット語で「神々の神聖な遊び」を意味する。

同店では伝統、創造性、持続可能性をテーマに、インドの活気に満ちた味わいと多様な郷土料理を紹介する。料理は「世界のベストホテル50」2位の高級ホテル「ローズウッド香港(Rosewood Hong Kong)」内のインド料理店「チャート」で、料理長を務めたマナヴ・トゥリ(Manav Tuli)氏が指揮。メニューにはそれぞれ物語があり、その旅に食べ手を案内していきたいという。

シェフのマナヴ・トゥリ氏

(写真)シェフのマナヴ・トゥリ氏。

食材はインド本国原産の認定オーガニックやGMOフリー(非遺伝子組み替え)のスパイスやレンズ豆、雑穀を用い、魚介や豚肉は香港の持続可能な取り組みを進めるサプライヤーと提携する。

シェフ、トゥリ氏の料理からインスピレーションを得たインテリアは、インド旧市街ジョードプルで見られる伝統の色、特徴を捉えている。優雅さと現代性を持ちながら、細部までこだわった空間は、隠れ家的な場を提供し温かくゲストを迎えてくれる。

*日本政府観光局「JNTO訪日旅行誘致ハンドブック2021(東南・南アジア7市場編)」より


「ビーツとオックステールのカレー」は、赤いビーツが旬の季節のメニュー。

(写真)カレーは全6種。「ビーツとオックステールのカレー」(288香港ドル)は、赤いビーツが旬の季節のメニュー。シナモンとクローブを効かせて。

キャラメリゼしたタマネギをのせてグリルした「ココナッツ・シーバス」

(写真)キャラメリゼしたタマネギをのせてグリルした「ココナッツ・シーバス」(138香港ドル)。

「ラムチョップ」はザクロとショウガをまとわせグリルする

(写真)「ラムチョップ」(438香港ドル)はザクロとショウガをまとわせグリルする。

インドの伝統的な手仕事が随所に見られるインテリア

(写真)インドの伝統的な手仕事が随所に見られるインテリア。金色のシルクパネル、寄木細工の模様があしらわれた劇場のような天井など、宮殿を思わせる設えだ。



◎LEELA
Shop 301-310, Lee Garden Three, 1 Sunning Road Causeway Bay
☎852-9739 8780 WhatsApp または852-2882 5316
17:30〜22:45(月曜〜水曜)
12:00〜15:30、17:30〜22:45(木曜〜日曜)
無休
テイスティングメニュー 888香港ドル
https://www.leela.hk/

*1香港ドル=20円(2024年6月時点)

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