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JOURNAL / 世界の食トレンド

Italy [Torino]

フードバンクと料理人が手を組み1000人にランチボックスをお届け

2021.05.17

  • text by Sayaka Miyamoto



  • 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年10月から休業を余儀なくされているイタリアの飲食業界。業界団体の調査によると、2021年にはレストラン、バールの倒産軒数は5万に達する可能性があるという。

    そんな中、2021年4月11日、「プランツォ・ア・ミッレ(PRANZO A MILLE=1000人ランチ)」がトリノで開催された。県内28軒のレストラン30人以上のシェフたちが、コロナ禍で生活が困窮する人々に食事を提供し、楽しい1日を過ごしてもらおうというものだ。

    企画したのは、コロナ以前から余剰食料を回収し、必要とする人々に提供してきた非営利団体「バンコ・アリメンターレ(Banco Alimentare)」。シェフたちは思い思いのプリモ、セコンド、ドルチェの3品を用意したが、メニューは全店とも肉を使わないのがルール。経費を抑えると共に、未来の食スタイルの提案でもあった。協賛企業によるチョコレートやワインなどと料理を詰めたランチボックス1000人分は、250人のボランティアによって各家庭に届けられた。

    自らも辛い状況にあるシェフたちだが、痛みを分かち合い、社会貢献イベントに参加することで、再スタートにかける大きなエネルギーが生まれた。このイベントが救ったのは、食事を得た1000人だけではなかったということだ。

    (写真)ミシュラン星付きのスターシェフ10人に加えて伝統ピエモンテ料理やヴィーガンのレストラン、エノテカ、チャイニーズレストランのシェフも参加した。




    ◎Banco Alimentare
    https://www.bancoalimentare.it/it
    Instagram: @bancoalimentare


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