Norway [Oslo]
飢餓問題の解決が平和につながる
2021.01.15
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世界食糧計画(WFP)がノーベル平和賞の受賞者となった。ノーベル賞のうち平和賞だけはスウェーデンではなくノルウェーで発表・授与される。WFPはローマに本部を置き、世界最大の人道支援機関として88カ国1億人の人々を支援。食糧などの支援物資を困難が伴う地域に配布している。
選考委員会は授賞理由に、WFPが混とんとした世界で国際的な連帯を促していること、飢餓は戦争や紛争の武器として利用されていることを強調した。コロナ禍ではさらに数100万人が飢餓の瀬戸際にある。平和賞の国ノルウェーでは、食糧や飢餓が戦争や平和と関連していることにピンとこない人も多かったようで、現地メディアはその関係性を学べる内容の記事を増やしていた。
飢餓に苦しむ人々がいる傍ら、大量の食べ残しや買い占めが発生する国の矛盾点を指摘する声もある。2019年までにはWFPへの支援額は過去最高の80億ドルに達したが、未だに41億ドル不足しているという。平和賞の影響で支援額が増えることが期待される。
(『料理通信』2021年1月号/「ワールドトピックス」より)
◎United Nations World Food Programme
https://ja.wfp.org/
寄付や支援方法は国際連合WFP公式HP(日本語)に掲載されている。
text by Asaki Abumi
photo by WFP / Damilola Onafuwa
JOURNAL / 世界の食トレンド
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