Peru[Lima]
再ロックダウンで岐路に立つリマのレストラン業界
2021.03.18
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text by Keiko Harada
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年明けに新型コロナウイルス感染症の第二波が到来し、2021年1月31日から2月14日まで警戒レベル別のロックダウンが実施されたペルー。首都リマは危険度最高クラスに分類され、飲食店には「店内接客禁止」「デリバリーのみ可能」という厳しい規制が敷かれた。飲食業界の強い反発を受け、後にテイクアウトが追認されたが、効果はまだ薄い。
ペルーを代表するニッケイ料理店「マイド(Maido)」のオーナーシェフ、ミツハル・ツムラ(Mitsuharu Tsumura)氏は「ロックダウンがさらに延長されれば、小規模店のみならずペルーグルメ界を象徴する店も廃業の危機に晒されるだろう」と警鐘を鳴らし、官製融資の返済猶予や人件費の補填といった政府支援の必要性を訴えた。
しかし感染の勢いは止まらず、ロックダウンは2月28日まで延長され、関係者からは落胆の声が上がっている。ペルー全国観光協会は昨年11月、「パンデミック前には20万店以上あった国内レストランの、約7万軒が閉鎖に追い込まれた」と報告している。コロナ禍がペルーガストロノミー界にもたらす負の影響はますます深刻になりつつある。
(写真)ミツハル・ツムラ氏は1981年リマ生まれの日系三世。アメリカで料理芸術と食品管理を学び大阪で修業、リマのシェラトンホテルでスーシェフ等を経て独立。2009年に「マイド」を開店。
◎Maido
Calle San Martín 399, Miraflores, Lima
☎+51-01-313-5100
エスペリエンシア・ニッケイ(ニッケイ体験)コース 349ソレス
https://maido.pe/
Instagram:@mitsuharu_maido
1ソレル=約28.7円(2021年3月時点)
JOURNAL / 世界の食トレンド
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