Spain [Madrid]
シェフの高い社会意識の表れ「良心のキッチン」運動
2016.03.14
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スペインのシェフたちは飲食以外の業界とのコラボも多く、一部のシェフは社会的影響力も極めて強い。活躍の場が増えるに従い、社会貢献意識が非常に高い彼らと、非営利民間慈善団体「ライセス財団」 が始めた「良心のキッチン」プロジェクトがスペイン全国で浸透しつつある。
様々な形でスペインへ流れ込んでくる移民難民は後を絶たないが、その中でも未青年は生活環境が整わず、ヨーロッパへ来ても将来に絶望する場合も多い。そうした若年層の社会的弱者を積極的に雇用、活気のある飲食業界へ就職させることで、彼らの生活の道を切り開こうというのがこのプロジェクトだ。
ダイレクトに移民問題の解決の一歩となるこの運動に、ミシュラン二ツ星の「ムガリッツ」を筆頭に国内49店、69人の移民の若者が参加、ヨーロッパに生きる夢を叶え始めた。文化も言語も違う移民たちがキッチンの一員となり、次第に家族のようなつながりができるという関係は、飲食以外の業界も 学ぶべき姿なのかもしれない。
(『料理通信』2016年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Fundación Raices
ライセス財団(貧困層や移民の若者に社会参加を促す非営利慈善団体)
www.fundacionraices.org
text by Yuki Kobayashi
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