HOME 〉

JOURNAL / 世界の食トレンド

Spain [Madrid]

鑑定技術も機械化へ。オイル鑑定士の人材不足に朗報

2021.01.18

  • 生産量、輸出量ともに世界一を誇るスペインのオリーブオイル。さらに一歩先をゆく技術をと、スペイン農水省やEU農業基金の支援の下に開発されたのが、成分分析データを用いたオリーブオイル鑑定法だ。

    生産量も年々増加の一途を辿っている状態では、品質管理に必須であるオイル鑑定のスピードを上げる必要があるが、1人の鑑定士が1日に鑑定できる商品数には上限がある。2020年はコロナ禍で鑑定士が集まることが難しく、行政の品質管理すら停滞していたから、こうした技術は業界には朗報だ。

    7年の年月をかけて開発された鑑定技術は、現在、公的機関での試験を重ね2021年9月には完成予定。現時点では機械は鑑定士作業の補助的役割を担っているが、揮発性の香りなど感覚刺激特性を捉えて数値化できることで、分析成分によっては人間よりも正確に迅速に判断ができる。

    スペインには政府公認のオリーブオイル鑑定士資格がなく、業界では鑑定士の慢性的な人材不足に苦しんできた。その心強い打開策になるのは確かだ。

    (『料理通信』2021年1月号/「ワールドトピックス」より)

    ◎Interprofesional del Aceite de Oliva Español
    スペイン産オリーブオイルインタープロフェッショナル
    https://www.aceitesdeolivadeespana.com/

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。