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「キーケグ」とは、生ビールなどに使われるペットボトル素材の樽。容器内に注入したガスに液体が触れず、劣化しにくい上、使い捨てで衛生的、軽いというメリットもある。そんなキーケグを利用したワインが、スウェーデンに登場し始めた。
きっかけを作ったのは、ワインインポーターの「ドリッケスブティーケン」。オーナーのイーダ・スンドクヴィスト氏は、以前からキーケグワインに注目しており、フランスで導入している北ローヌの生産者、エリック・テキシェーのワインを20リットルのキーケグで輸入した。ボトルの廃棄処理、ボトル詰めやパッキングの手間など環境・労働問題の改善に加えて、省スペースで経費削減にも繋がるなど、生産者・販売者の両者に利点が多い。ただしキーケグワインの熟成は模索中で、現時点では1年以内に使い切るのが望ましいとされる。
スウェーデンでは、ワインは“特別な時の飲み物”と認識されているため、キーケグワインの普及には、まずはペットボトルの安っぽいイメージを払拭するのが課題だ。
(『料理通信』2018年5月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Dryckesbutiken
http://dryckesbutiken.se
text & photograph by Jin Sakiko
JOURNAL / 世界の食トレンド
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