HOME 〉

JOURNAL / 世界の食トレンド

Sweden [Jukkasjärvi] 大自然の中で北欧の味を満喫!ミシュランシェフが集う食のフェスティバル

2022.10.13

text by Sakiko Jin / photographs by Håkan Stenlund(Top, photo2, photo4, photo5), Gabriel Mkrttchian(photo3)

「スターズ・デュ・ノール(Stars du Nord)」は、年に1回行われる北欧のガストロノミーフェスティバル。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランドからスターシェフやワインメーカーが集まり、北欧の食と飲み物に焦点を当て、サステナビリティや環境に意識した料理を展開する。始まりは2021年10月、「フードロスの削減」をテーマにストックホルムで行われた。

第2回目の2022年は、9月2日から4日までスウェーデン北部ラップランド地方のユッカスヤルヴィで開催された。テーマは「野摘みの素材」「ハイパーローカルな産物」、そして「サーミの食文化」だ。サーミとは、スカンジナビア半島北部に居住する少数民族のことである。

総勢9名のスターシェフは、200km圏内から集めた素材と新鮮な湧き水を使い、焚火で調理するという原始に立ち返ったメソッドで、それぞれの解釈によるサーミ料理を提供。ペアリングの飲み物もスウェーデン産やデンマーク産のワインを始め、全て北欧産でマッチングした。

森林ディナーの後は、著名なデザインホテルでもある「ツリーホテル(Treehotel)」や 「アークティックバス(Arctic Bath)」で、さらに自然を満喫して眠りについた。今回はラッキーなことにオーロラまで出現し、2日間のフェスティバルは大成功で幕を閉じた。

(写真トップ)フェスティバルへの参加条件は、ミシュランガイドに掲載されていること以外に、北欧料理に大いなる関心を持っていること。伝統的かつ新しい調理法にも取り組み、北欧の産物を世界にアピールすることが求められている。サステナビリティやアニマルウェルフェアへの意識も必須。


フィンランドからのシェフ、トミー・トウミネンが6時間かけて焚火でラム肉をスロークッキング。

デンマークからのシェフ、トシュテン・ヴィルドガードによる「トナカイのタルタルと森のお気に入り(野草)」。トナカイはサーミ文化とは切っても切れない存在。

ノルウェーのクリスチャン・ヴァグネンによる、「タラ・アンズ茸・ジュニパー」の一品。

観光会社「ヌッティ・サーミ・シーダ」の協力の下、サーミによる生演奏をバックグラウンドに、自然の中で自然を食する有意義な2日間を楽しんだ。

観光会社「ヌッティ・サーミ・シーダ」の協力の下、サーミによる生演奏をバックグラウンドに、自然の中で自然を食する有意義な2日間を楽しんだ。



◎Stars du Nord
参加料 6995スウェーデンクローナ
https://www.starsdunord.se

*1スウェーデンクローナ=13.4(2022年9月時点)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。