原材料はレストランの廃棄油。おばあちゃんの知恵から生まれたサステナブルな洗剤
Sweden [Västerbotten]
2024.10.21
text by Sakiko Jin / photographs by Västerbottenssåpa
(写真)ヴェステルボッテンスソーパ社の製品はパームオイルや動物性油脂不使用。多量の油脂から作られる「ソーパ」は油汚れにもとても効果的なため、台所やバスルーム、ガレージの掃除にも優れている。また生分解性が高く、石油から作られた合成洗剤に比べると環境負荷が少ない。着色料や保存料なども一切不使用で、家庭での化学製品使用が減り、子供たちにも安全だ。
「ヴェステルボッテンスソーパ(Västerbottenssåpa)」は、スウェーデンの北部ヴェステルボッテン州に本拠地を構える住宅用洗剤メーカー。ソーパとは、植物性もしくは動物性の油脂を水酸化カリウムと一緒に煮て作るジェルや液状の洗剤だ。昔からスウェーデンで使用されており、洗剤そのものに栄養と潤いがあり、木材製品の表面の汚れ落としに最適とされる。
1920年に初代のフレドリーカおばあちゃんが自宅で作ったオリジナルレシピは、羊肉の脂が主原料だったが、現在は同社のサステナ考に賛同する地元のレストランから出た廃棄油が主原料。ほとんどは菜種油だが、コーン油とのブレンドもあり、使用済み油を集めて精製し、鹸化(けんか)したものが製品の元になる。
ヴェステルボッテンスソーパ社は自社製品の環境負荷を常に考えており、パッケージのボトルは、プラスチックが海のゴミにならないよう、ビーチで採集されたプラスチック=POP (Prevented Ocean Plastic™)をリサイクルし、再生プラスチックに変えてボトルに使用している。将来的には全てのボトルをPOP製品に変える意向だ。
同社のモットーでもある「サステナブル」「リサイクル」「倹約」は、フレドリーカおばあちゃんから3代目になる今でも確実に受け継がれている。
◎Västerbottenssåpa
https://vasterbottenssapa.se
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