「食材・生産者の価値を高める」
かんだ 神田 裕行 Hiroyuki Kanda
2015.05.25
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店名
かんだ/(かんだ)
2011.2.2 open かんだのページを見る
1963年7月1日生 / 徳島県出身 / A型
大阪「昇六 喜川」(5年)で日本料理の世界に入り、86年、23歳で渡仏。パリの日本料理店で5年間料理長を務める。91年帰国し、徳島の料亭「青柳」へ。92年より修業と並行して平成調理師専門学校の講師を10年間務める。99年、東京・赤坂「basara」の立ち上げに伴い料理長に就任。その後、basara各店の立ち上げに携わり、04年独立。07年『ミシュランガイド東京』で三ツ星を獲得。08年、ミシュラン星付き店の仲間5 人とNPO法人「FUUDO」を結成。
FAVORITE
音楽 : キース・ジャレット
本 : 開高健
映画 : 香港・台湾映画 アンディ・ラウ主演(監督)映画
MY LEGEND
セルジュ・デュプス
「オーベルジュ・ド・リル(仏・ストラスブール)」シェフソムリエ。1953年生まれ。89年世界最優秀ソムリエのタイトルを獲得。現在、フランスソムリエ連盟会長、国際ソムリエ協会のヨーロッパ地域担当副会長を兼任。
小野二郎
寿司「すきやばし次郎(東京・銀座)」主人。1925年生まれ。7歳で地元静岡県天童市の料理店で奉公に出た後、東京で修業。65年に独立し、現店開店。05年に現代の名工に選ばれ、07年にミシュランの三ツ星を獲得。11年、米制作のドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』が放映される。
小田島稔
「割烹 小田島(東京・六本木)」主人。25才で渡仏し、パリの日本料理店「たから」で修業後、港区芝の実家で「お田しま」を開店。76年、「割烹 有栖川(東京・元麻布)」を開店の後、98年に現店をオープン。著書に『ワイン好きの和食おつまみ100』(ステレオサウンド)など。
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蛤と鳴門わかめのしゃぶしゃぶ
おまかせコースの一品
夜明け前に採った鳴門わかめが主役。蛤だしに二番だしを合わせ、酒を少々。このだしでわかめをしゃぶしゃぶする。鮮やかな緑色、海の香りとしゃきしゃきしたわかめの食感を味わう。蛤とわかめから出る自然の塩味で。
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空豆のしんじょ椀
おまかせコースの一品
鹿児島産の空豆とエビを同量叩いて、少量のすり身と卵でつないでしんじょうに。箸でくずれるけれど濁らない。その清い味を楽しむ。しんじょうといえば、以前は魚系が中心だったが、最近は野菜主体に変わってきた。
必要とされるためのキーワード
観察する。
観察する。
- 神田さんの店づくりは「自分」が基準だ。たとえば、鯛なら好きな大きさが1.5キロ。穴子なら15本ぐらい炊くのがちょうどいい。となると、マックスの席数も自然と決まる。客をいかに料理に集中させ、リラックスさせるか、椅子の高さから考えたり、狭い厨房でうまく回すにはどうするか、設計からシステムまで考え抜いたり。自分のスタイルと得意ワザを生かせる店づくり。それがまず基本だ。
カウンターで7人の客を相手にする。ライブ感を伝えるためでもあるが、「客を観察する」ためでもある。どのくらい飲むか、食べるかを始め、あらゆる情報をつかむ。今は、予算だけを預かって、客に応じて料理を変えていくスタイル。だから、最初の1杯、最初の1品を注視する。1杯目からとばすのは飲む人と予測、つまみを何品か続けることにする。一口しか口をつけない人は食べる派。ちゃんとお腹にたまるものを出していく。頭の中はコンピュータ状態だ。客はリピートすればするほど、「ピタッと自分のサイズに合う気持ちのいい服」を作ってもらえるようになるのである。
「日本料理は勉強すればするほど、シンプルになる。といっても、複雑さを内包したシンプルですが」。シンプルになるほど重要になるのは食材だ。神田さんは長年、料理人仲間と食材の勉強を続けてきた。無農薬、有機野菜の生産者を支援し、米作りをし、食糧自給率を上げるためのNPO法人も立ち上げた。 日本料理の料理人は「日本料理という生き方」をしないとダメだと神田さん。 有言実行の日々である。
text by Michiko Watanabe / photographs by Tsunenori Yamashita
かんだ 東京都/六本木 かんだのページを見る
住所 | 東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布 1F |
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電話番号 | 03-5786-0150 |
営業時間 | 18:00〜22:00 LO |
定休日 | 日曜、祝日休 |
カード | 可 |
座席 | 全14席(カウンター8席、個室6席) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 東京メトロ、都営線六本木駅より徒歩12分 |
URL | http://nihonryori-kanda.com |
備考 | 夜おまかせコースのみ16200円、21600円、27000円(税込・サ別) 日本酒1合1500円 【WINE】グラス白赤各1種1500円前後~、ボトル7700円 |
- 「2009年10月表紙のレシピ」 掲載
- 「2012年01月第3回全国お宝食材コンテスト」 掲載
- 「2012年02月ピエール・エルメさんのためのお米の授業」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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