「食材・生産者の価値を高める」
ラ・ビオグラフィ 滝本将博 Masahiro Takimoto
2015.05.14
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店名
ラ・ビオグラフィ/La Biographie…
2011.9.1 open ラ・ビオグラフィのページを見る
1964年4月22日生 / 京都府出身 / B型
17歳でレストランにアルバイトとして入り、パティシエを経験(3年)。84年「京都ロイヤルホテル」のメインダイニング(3年)で研鑽を積み、87年にスイスへ。チューリッヒのホテル「インターナショナル」や「モントレ」(計1年)、仏・アルベールビルのオーベルジュ「ミリオン」(1 年)の後、パリ「アルページュ」(1年強)で修業。90年に帰国し、「京都ブライトンホテル」に入社。96年に同ホテル「ヴィ・ザ・ヴィ」の料理長に。11年、自店をオープン。
FAVORITE
音楽 : フィル・コリンズ、JAZZ、SOUL
本 : 解剖学の専門書
映画 : 『SEX and the CITY』『ペントハウス』
MY LEGEND
フィリップ・ミリオン
「オーベルジュミリオン(仏・アルベールビル)」元シェフ。
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近海産 小さなコキアージュ 軽い根セロリのクレーム和え 濃縮トマト アルガン・オイルの香り
夜15750円のコースの一品
鮑はグリヤード、帆立貝柱はミキュイに火入れし、ミル貝、バイ貝、ハマグリは白ワイン蒸しに。それらを5mm角に切り、根セロリのピュレと合わせてアパレイユに。アルガンオイルのナッティな風味と、貝の旨味との相性の良さを楽しませる。
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夏の地場野菜 フォンダン タプナードの香り トマトのプレート 熟成イベリコ生ハム ハーブ・オイル風味 《モナコの想い出… ミレジム2012》
15750円のコースの一品
原型は、モナコで食したくたくたに煮込まれたラタトゥイユ。トマトはコンフィ、ゼリー、抽出エキスと異なる調理法で、余すところなく旨味を引き出した。生ハムの塩気、ナスほか夏野菜の心地よい噛み応えがアクセントに。
必要とされるためのキーワード
あるものは全部引き受ける。
あるものは全部引き受ける。
- 「お互いにギブ&テイクでなければ」。滝本将博シェフは、生産者との関わりをそう話す。地野菜なら、京都北部の大原などに8年近く付き合いのある生産者が5人いる。「その日にもらえる素材はすべてもらう。多少欠陥があってもフォローするのが自分の技量」。だから、逆にシェフからの要望も、収穫のタイミングなど忌憚がない。高齢の生産者も多い中、その要望に応えてもらえるのは「お母さんお父さん」と慕い、足繁く畑へ通う、信頼関係があるから。
採れて間もない地野菜を巧みに調理する滝本シェフ。「技術を最大限落とし込むが、皿の中はあくまでもナチュラルに」。たとえば、ラタトゥイユを再構築。夏野菜を各々低温真空調理してセルクル詰めにし、トマトエキスのゼリーやコンフィを重ねる。素朴さとは離れるが、野菜の香りやトマトの透き通った旨味はシンプルそのもの。生産者と日々向き合い、素材を尊重するからこそ、重層的でありながら「どこまでもクリアなガストロノミー」を実現できる。
text by Kaori Funai / photographs by Jun Kozai
ラ・ビオグラフィ 京都府/烏丸御池 ラ・ビオグラフィのページを見る
住所 | 京都府京都市中京区衣棚通御池下ル西側長浜町152 |
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電話番号 | 075-231-1669(要予約) |
営業時間 | 12:00〜13:00 LO 18:00〜20:00 LO |
定休日 | 月曜、火曜休 |
カード | 可 |
座席 | 全20席(個室1室×最大8名) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 京都市営地下鉄烏丸御池駅より徒歩3分 |
URL | http://la-biographie.info |
備考 | 昼7020円 夜16200円~ (税込・サ別) 【WINE】 グラス 白赤各8種 1600円~、ボトル 7000円~ |
- 「2012年01月NEW OPEN」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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