RECIPE

甘さ控えめで素材を楽しむ。ザクザク食感の「グラノーラ」

【DIYレシピ】「ハドソンマーケットべーカーズ」大坪ほまれさん

2024.09.02

photographs by Hide Urabe

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド＆テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、ザクザク食感が楽しめる「グラノーラ」です。基本をおさえれば素材や甘味はアレンジ自在。おやつやサラダにも展開できます。

■教えてくれた人：東京・麻布十番「ハドソンマーケットベーカーズ」大坪ほまれさん
■素材を自由に組み合わせてオリジナルグラノーラに
■自家製グラノーラの極意
■「グラノーラ」材料と作り方
■【応用例】ハニー・マサラ・グラノーラ
■東京・麻布十番「ハドソンマーケットベーカーズ」の店舗情報

教えてくれた人：東京・麻布十番「ハドソンマーケットベーカーズ」大坪ほまれさん

文化服装学院卒業後、ニューヨークへ。10年暮らす中でアメリカの食に魅せられ、帰国後は料理教室を主宰。2013年現店をオープン。黒糖、雑穀、ナッツやドライフルーツなどの自然の恵みをたっぷり使ったニューヨークスタイルの焼き菓子を提供する。

素材を自由に組み合わせてオリジナルグラノーラに

グラノーラはオーツと好みの具材を混ぜて香ばしく焼いて作ります。作り方はシンプルですが、コツを押さえてお店の味に近づけましょう。

使用するオーツは「ロールド・オーツ」と呼ばれる押し麦タイプを。オートミール用は麦の形が残っていないので向きません。小麦ふすまを入れると食物繊維の量が増え、シロップの絡みも良くなるのでおすすめですが、加えなければ、グルテンフリーのグラノーラが作れます。穀物特有の風味があるので、バニラやシナモンなどスパイスを加えて和らげましょう。

シロップを全体に絡めるために、よく混ぜて乳化させて加えるのもコツです。今回はハチミツを使っていますが、ブラウンシュガー、メープルシロップ、オレンジジュースなどを加えると違った味わいに。醤油、鰹節、みりんなどを使った塩味バージョンも面白いですよ。

グラノーラはカリカリ、ザクザクの食感が大切。焦がすと苦味が出て、焼きが浅いとネチッとする。こんがり色よく焼いてください。

具材も自由に組み合わせて。アマニなど栄養価の高い具材を加えたヘルシーバージョン、ナッツやココナッツなど歯応えを楽しむバージョン、チョコレートとバナナチップスを入れたおやつっぽいバージョンなど、機能やテーマを考えてオリジナルのグラノーラ作りを楽しみましょう。

自家製グラノーラの極意

１　油分、ハチミツは乳化させて絡みをよくする
２　スパイス使いでオーツの穀物臭をマイルドに
３　目的に応じて加える具材、スパイスを変えて楽しむ

「グラノーラ」材料と作り方

［材料］（作りやすい分量）
A
ロールド・オーツ・・・480g
小麦ふすま・・・50g
アーモンド・・・50g
ヒマワリの種・・・50g
ゴマ・・・50g
アマニ・・・50g
ピーカンナッツ（割る）・・・50g

B
キャノーラ油・・・100g
ハチミツ・・・130g
シナモン・・・小さじ1/2
バニラオイル・・・小さじ1/2
塩・・・１g

C
レーズン・・・90g
クランベリー・・・90g
カボチャの種・・・50g

＜材料のポイント１＞
スパイスで穀物臭を和らげる

オーツの穀物臭を和らげるためにスパイスは有効。基本は同じ材料でも、スパイスでフレーバーを変えることができる。

＜材料のポイント２＞
ドライフルーツは後のせ

ドライフルーツ、ロースト済みのナッツなど火を入れる必要がない食材は、オーブンから出してほぐした後に加える。

［作り方］
［１］湯煎にかける

ボウルに材料Bを入れ、湯煎にかける。

［２］混ぜて乳化させる

湯煎から外し、泡立て器で混ぜて溶かす。油とハチミツが乳化してとろりとすると、絡みやすくなる。

［３］材料を一気に加える

材料Aを２に一気に加える。ゴムベラで底から混ぜ、全体に行き渡るようにざっくり馴染ませる。

［４］手で揉み混ぜる

手袋をした手で優しく揉み混ぜる。
POINT：割れないよう、丁寧に。

［５］天板に広げる

オーブンペーパーを敷いた天板に４を薄く、均等に広げる。

［６］オーブンで焼成する

145℃のオーブンで22分程度焼く。
POINT：焼きが浅いと、ネチッとするので注意！

［７］粗熱を取る

黄金色に色づいたらオーブンから出し、粗熱を取る。

［８］軽くほぐす

塊が残るように割って軽くほぐす。

［９］ドライフルーツを加える

材料Cを加えて軽く混ぜる。密閉容器で常温保存すれば１カ月ほど楽しめる。

グラノーラのアレンジ方法。ふわり柔らかなパンケーキにのせれば、ザクザクした食感がアクセントに。

そのまま食べてももちろんおいしいが、ヨーグルトやスムージー、アイスクリームなどトッピングに使うと楽しみが広がる。ふわり柔らかなパンケーキにのせれば、ザクザクした食感がアクセントに。

【応用例】ハニー・マサラ・グラノーラ

［材料］（作りやすい分量）
A
ロールド・オーツ・・・480g
小麦ふすま・・・50g
スライスアーモンド・・・50g
ヒマワリの種・・・50g
ゴマ・・・50g
カシューナッツ・・・50g
ココナッツ・・・50g
クミンシード・・・小さじ2/3
フェンネルシード・・・小さじ2/3

B
塩・・・１g
キャノーラ油・・・100g
ハチミツ・・・125g
シナモン・・・小さじ1/4
カルダモン・・・小さじ1/4
ショウガ（パウダー）・・・小さじ1/4
ガラムマサラ・・・小さじ1と 1/4
コリアンダー（パウダー）・・・小さじ1/4

ドライアプリコット・・・80g
ドライマンゴー・・・80g
カボチャの種・・・50g

［作り方］
［１］Bをボウルに入れ、湯煎にかけて溶かす。
［２］湯煎から外し、泡立て器でよく混ぜ、乳化させる。
［３］Aを加え、全体に絡まるようによく混ぜる。
POINT：オーツを崩さないようにやさしく混ぜる。
［４］天板にオーブンペーパーを敷き、薄く均一に広げ、145℃のオーブンで22分程度焼く。
［５］ 粗熱を取り、軽くほぐす。
［６］ 食べやすい大きさに切ったドライフルーツとカボチャの種を加え、密閉容器で保存する。