カニ入りで旨味たっぷり。ふんわり淡い口溶けの「はんぺん」
【DIYレシピ】
2026.01.05
photographs by Hideo Sawai
連載:DIYレシピ
塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、ふんわりとした口溶けに、すり身とカニの旨味が広がる「自家製はんぺん」。力と根気が要りますが、それだけの価値あるおいしさに出合えます。
目次
教えてくれた人:東京・中目黒「大衆割烹 藤八」田中研司さん
1977年創業。中目黒で愛され続ける老舗居酒屋。2018年に現在の場所に移転。
調味料に頼らず、素材の旨味を味わう
創業50周年が見えてきた中目黒「藤八」。ファンならお馴染みだが、「藤八」には四大名物と呼ばれるメニューがある。その1つが、調味料らしい素材は使わず、カニとだしの塩味だけで魚の風味を味わう「自家製はんぺん」だ。
工程はシンプルで大きく分けると2つ。①すりおろした大和芋に魚のすり身を混ぜる、②卵白を加えて混ぜ、蒸し上げる。最大のポイントは、混ぜる際にホイッパーで一気に“打ち込む"こと。ホイッパーの根元をしっかり握り、根気よく動かしていく。この作業が仕上がりのフワフワ感に欠かせない。
「かつて何度かハンドミキサーでトライしたが、はんぺんらしい食感にならなかった」ということなので、ここはぜひ手作業で。
白身魚のすり身はスーパーでも販売しているが、製品によって粘度が違うので、だし汁の量で調整を。蒸し時間は、生地が緩めの場合は長めにとるなどし、お好みの食感にして楽しんで。
「自家製はんぺん」材料と作り方
[材料]
白身魚のすり身(イトヨリ、タラなど)・・・1.5kg
大和芋・・・500g
卵白・・・15個分
だし汁(ほぐし身の茹で汁と和だしを加えたもの)・・・2L
ズワイガニほぐし身(汁気は絞り、だし汁に加える)・・・500g
片栗粉・・・360g
[作り方]
[1]大和芋とすり身を合わせる
大和芋をすりおろし、白身魚のすり身と混ぜ合わせる。ホイッパーの柄を握るように持ち、押しほぐしてから全体に大きくすり混ぜていく。【POINT】仕上がりのフワフワ感を出すために、必ず手作業で行う。
[2]だし汁を加え混ぜる
全体が混ざり、泡立てる筋目が見えるまで粘り気が出たら、だし汁の3/4量(残りは取り置く)を4回程度に分けて少しずつ加え、ホイッパーですり混ぜる。【POINT】分離しないよう、だし汁は分けて加える。
[3]粘り具合を調整
生地の粘りをだし汁で伸ばしていく。写真程度のとろみになるまでだし汁を加え、ホイッパーで撹拌する。奥から手前へ引き寄せ、上に持ち上げるように。
[4]卵白を加え混ぜる
卵白を一度に加え、ホイッパーを上から叩きつけるように激しく動かす。かき混ぜると全体にぷるんとした大きな波が立つ程度になったら一度置く。
[5]片栗粉を溶かす
別のボウルで取り置いただし汁と片栗粉を溶かし合わせる。
[6]生地に混ぜ合わせる
溶かした片栗粉を生地に一気に加え、全体に混ぜ合わせる。最終的に写真程度のとろみになれば完成。とろーんと伸びるが、意外に切れはよい。
[7]型に流す
表面に少し水をつけてからラップを張ったバットに生地を流し入れる。バット1個につき
レードル5~6杯程度、計4個分取れる。蒸し器を用意する。
[8]カニを散らす
生地を流し入れたら、カニのほぐし身を上に万遍なく散らす。
[9]蒸す
水滴が落ちて入らないよう、紙(店では保湿紙)を蓋代わりに被せ、ゴムで口を閉じる。蒸気の上がった蒸し器に入れ、40~50分ほど中火で蒸す。
[10]冷やす
蒸し上がったらそのまま器ごと冷ます。粗熱が取れたら、冷蔵庫に入れて冷やす。
[11]ラップを外す
バットをひっくり返して取り出し、ラップを外す。【POINT】冷めないとラップがうまく剥がせないので、しっかり冷やす。
[12]切り分けて温める
注文ごとに16等分の二等辺三角形に切り分け、温め直して提供する。
白身魚のすり身と大和芋に、カニのだしをたっぷり使って蒸し上げた、旨味たっぷりの自家製はんぺん。しっとり、ふんわり、優しい舌触りで、市販のはんぺんとはまた違う、素朴なおいしさ。
東京・中目黒「大衆割烹 藤八」の店舗情報
◎大衆割烹 藤八
東京都目黒区上目黒3-1-4 グリーンプラザ 2F
☎03-3710-8729
16:00~22:30料理LO、ドリンク23:00LO
日曜、祝日の月曜休
東京メトロ、東急中目黒駅より徒歩3分
Instagram:@tohachi_nakameguro
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2017年5月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
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