カタルーニャ地方のサラダに秋の風味をプラス「塩ダラとインゲン豆のエンペドラ」
フェーズフリーな食材レシピ:塩ダラ、インゲン豆
2024.09.26
photographs by Hide Urabe
乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。
「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回は、保存可能な魚のたんぱく源、バカラオ(塩漬けした鱈の干物)とインゲン豆を使った、カタルーニャ地方の伝統的なサラダをご紹介します。
*フェーズフリー(Phase Free)は、防災の専門家として活動を続けてきた佐藤唯行氏が2014年に提唱した考え方。
目次
- ■教えてくれた人:東京・神楽坂「エスタシオン」野堀貴則シェフ
- ■「つぶす」「ちぎる」「ほぐす」で馴染みやすく
- ■「塩ダラとインゲン豆のエンペドラ」材料と作り方
- ■東京・神楽坂「エスタシオン」の店舗情報
教えてくれた人:東京・神楽坂「エスタシオン」野堀貴則シェフ
「つぶす」「ちぎる」「ほぐす」で馴染みやすく
エンペドラは、スペイン北東部に位置するカタルーニャ地方の郷土料理で、豆、塩ダラ、オリーブ、トマトを使ったサラダだ。ポイントは、豆を軽くつぶす、オリーブを手でちぎる、焼きナスをほぐすなどして食材同士を馴染みやすくすること。
味付けはビネガーと塩のみでシンプルだが、塩ダラの塩味と旨味がきいている。さらに焼きナスの香ばしい香りとイチジクの甘味で秋らしい風味と奥行きをプラス。仕上げに散らした黒オリーブとハーブもアクセントになり、一口ごとに異なる味わいや香りが楽しめる。
「塩ダラとインゲン豆のエンペドラ」材料と作り方
[材料](2~3人分)
インゲン豆・・・大さじ3
焼きナス・・・1/2本分
オリーブ(黒・緑)・・・6個
塩ダラ(戻したもの)・・・30g
イチジク・・・1/4個
ミニトマト・・・1個
塩・・・少量
赤ワインビネガー・・・5㎖
オリーブ油(スペイン産)・・・小さじ1
ディル・・・適量
ミント・・・適量
黒オリーブパウダー*・・・適量
*黒オリーブを乾燥させて、フードプロセッサーで粉末にしたもの。
[作り方]
[1]インゲン豆を茹でる
インゲン豆は、水に一晩浸けて戻し、水を替え、タマネギ1/6個と生ハムの切れ端(分量外)と茹でる。【POINT】指で押すとグニャっとなるくらい柔らかく茹でる。
[2]インゲン豆を潰す
ボウルにインゲン豆を入れて、スプーンの背で軽く潰す。【POINT】潰すことで他の食材との一体感を出す。
[3]焼きナスをほぐし、オリーブをちぎる
焼きナスをひと口大にほぐし、オリーブは手でちぎって加える。【POINT】手でちぎることで他の食材とよく馴染む。
[4]塩ダラをほぐす
塩ダラを手でほぐして加える。
[5]イチジク、ミニトマトを角切りにする
イチジク(皮つき)、ミニトマトは角切りにし、ボウルに入れる。
[6]調味する
塩をふり、ワインビネガー、オリーブ油を回しかける。
[7]仕上げる
皿に盛りつけ、ディル、ミント、黒オリーブパウダーを散らす。
東京・神楽坂「エスタシオン」の店舗情報
◎Estación(エスタシオン)
東京都新宿区神楽坂3-6
☎03-5225-3808
18:00~22:00LO
不定休
東京メトロ、JR飯田橋駅より徒歩5分
Instagram:@estacion_kagurazaka
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2016年11月号掲載)
掲載号はこちら
関連リンク