洋ナシのようなジューシーな果実感「かんぴょうのコンポート」
フェーズフリーな食材レシピ:かんぴょう
2025.03.13

text by Saori Bada / photographs by Masahiro Goda
乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回は、和食のイメージが強いかんぴょうをコンポートに。果実のようなジューシーな食感が楽しめます。
*フェーズフリー(Phase Free)は、防災の専門家として活動を続けてきた佐藤唯行氏が2014年に提唱した考え方。
目次
- ■教えてくれた人: 東京・外苑前「リストランテ・アクアパッツァ」日髙良実シェフ
- ■海外ニーズに逆提案! 東京発乾物イタリアン
- ■「かんぴょうのコンポート」材料と作り方
- ■東京・外苑前「リストランテ アクア パッツァ」の店舗情報
教えてくれた人: 東京・外苑前「リストランテ・アクアパッツァ」日髙良実シェフ

1986年イタリアに渡り、名店から地方料理の店まで14軒で修業し帰国。「リストランテ山﨑」のシェフを経て、90年に現店シェフに就任。以来30年以上、日本のイタリアンの第一線を走り続ける。テレビ出演や著書多数。コロナ禍で始めたYouTubeチャンネル「日髙良実のACQUAPAZZAチャンネル」の登録者数は18万人を誇る。
海外ニーズに逆提案! 東京発乾物イタリアン
小豆や寒天、干しシイタケにかんぴょうなど、日本の伝統的な乾物をイタリアンのメニューとして成立させているのが、「アクアパッツァ」の日髙良実シェフ。
「日本の食材を探っているうちに乾物に出会い、イタリアンに使ってみようと思い立ちました」。味わいも見た目も、世界のどこにもないオリジナル。イタリア料理の技法を通じて、日本食材の新しい可能性が見える試みだ。
店では、普段のまかないでも乾物を頻繁に食べるようになり、そこで発見があればメニューの更新に役立てている。
海外で急速に高まるベジタリアンニーズに、逆提案の形でアピールできる東京発の乾物イタリアン。日本人はもちろん、海外ゲストの興味も十分に引き付ける可能性に満ちている。
「かんぴょうのコンポート」材料と作り方
[材料](2人分)
かんぴょう・・・10g
A
砂糖・・・大さじ8
水・・・2カップ
レモン汁・・・小さじ2
バニラビーンズ・・・1/2本

[作り方]
[1]かんぴょうを茹でる
かんぴょうは水で洗い、熱湯で硬めに茹でてザルに上げ、水気を切って長さ3~4㎝に切る。
[2]煮る
小鍋にAを入れ、バニラビーンズを割いて中身をしごき入れ、莢も加える。火にかけ、沸いたら1を入れ、弱火で15~20分ほど煮る。
[3]冷やす
そのまま冷まして粗熱を取り、シロップごと冷蔵庫で冷やし、器に盛る。

ふっくらと炊いたかんぴょうは透明感があり、独特の歯応えがあってジューシー。程よい酸味のシロップを含むと、洋ナシにも似た果実の印象も。さっぱりと上品なデザート。
東京・外苑前「リストランテ アクア パッツァ」の店舗情報
◎Ristorante ACQUA PAZZA
東京都港区南青山2-27-18 AOYAMA M’s TOWERパサージュ青山2F
☎03-6434-7506
11:30~14:00LO、17:30~20:00LO
年末年始休み、メンテナンス休業有り
東京メトロ外苑前駅より徒歩2分
https://acqua-pazza.jp/
(雑誌『料理通信』2018年5月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
掲載号はこちら
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