ミントとフルーツで爽快感アップ「レンズ豆とマンゴーのサラダ」
プラントベースの始め方35
2023.10.10
photographs by Hideo Sawai
連載:プラントベースの始め方
健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。
教えてくれたシェフ
神奈川・平塚「ビーノ」阿部 剛 さん
1972年生まれ。「リストランテASO」、「コートドール」で基礎を積む。フランスでは総菜屋さんで働いた経験も。帰国後、2009年に「鎌倉惣菜」にて独立。2012年、野菜を中心にした料理を提供するワインバー 「Binot」 にリニューアル。夜営業する傍ら、昼は畑仕事に従事する。2023年4月に平塚に店舗を移転。
意外と思いつかない
スパイス&ハーブと豆のマッチング
「『豆を水に浸けて・・・』と聞いただけで「どん引き」する人が多いけど、惣菜屋を始めてみたら、豆を使った料理がよく売れる。自分では作らないけれど、食べたい人は多いんですよね」
10歳のころ、アトピー性皮膚炎に悩まされて「自然食療法」を実践していた阿部さんにとって、豆は常に身近な存在だった。今年(2011年当時)39歳。豆歴も四半世紀を超える今となっては、ニンジンやダイコンと変わらない日常野菜のひとつ、という感覚で料理している。
店は「食材やジャンルなどにこだわりすぎないことをこだわりにしている」というだけに、調理法やハーブ、スパイスのアクセント使いにもジャンルの垣根がなく、自由。レンズ豆にミント、白インゲン豆にバジル。そしてゴマがアクセントになるヒヨコ豆のフムスはスープ仕立てに・・・。思い付きそうで、思い付かないアイデアが次から次へと出てくる。しかも動物性ゼロでヘルシー。豆との長い付き合いがあるから、当然、味の着地点にもブレがない。
<植物性食材だけでおいしくなるコツ>
1.豆を茹でる時は、水とローリエのみ。塩も入れない。
2.レンズ豆はひたひた、インゲン豆はたっぷりの水で茹でる。
「レンズ豆とマンゴーのサラダ」の作り方
[材 料(2人分)]
材料(2人分)
レンズ豆 ・・・60g
ローリエ ・・・1枚
マンゴー ・・・100g
エシャロット ・・・・20g
ミント ・・・・1枝
シェリービネガー ・・・大さじ1
E.V. オリーブ油 ・・・・小さじ1
塩 ・・・・少量
[1]レンズ豆を茹でる
レンズ豆にひたひたの水、ローリエを加えて柔らかくなりすぎない程度に煮る。鍋の中でそのまま冷ます。
POINT:豆を茹でる時、基本は水とローリエ。塩も入れない。インゲン豆はたっぷりの水で茹でるが、茹で時間の短いレンズ豆は、水の量もひたひた程度で、豆が煮上がって粗熱がとれる頃には、水分がほとんど見えなくなるくらい少ない。
[2]材料を切る
マンゴーは1cm四方に、エシャロットはみじん切りに、ミントは細切りにする。
[3]材料を和える
レンズ豆にすべての材料を加え、全体を混ぜ合わせる。器に盛って、細切りのミントをあしらい、E.V.オリーブ油(いずれも分量外)をかける。
[4]完成
フランス、ピュイ産のレンズ豆は、粒が締まっていて一見硬く見えるが10分で煮上がる。豆の味はギュッと濃いので、フレッシュフルーツのみずみずしさとちょうどいいバランスをとる。ミントの爽快感もアクセントに。
◎binot ビーノ
平塚市宮の前6-20 クリオ平塚七番館102号
16時~(平日、土曜)
13時~(日曜)
水曜休
mail: binotabe@me.com
Facebook:@Binot
(雑誌『料理通信』2011年10月号掲載)
掲載号はこちら
関連リンク