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RECIPE

スーパーの無名な肉を絶品に。トスカーナの赤ワイン煮込み「ペポーゾ」

スローレシピ05

2022.11.10

photographs by Hide Urabe

連載:スローレシピ

材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。寒くなってきた今月は、体も心も温まる、スローな煮込みレシピを紹介します。

目次






教えてくれたシェフ:東京・神楽坂「アルベリーニ」中村鉄平さん

福岡県八女市出身。調理師専門学校を卒業後、イタリアへ渡り、トスカーナ州のリストランテやトラットリアなどで13年間修業。帰国後、神楽坂「イルマーレ」料理長を経て2013年に独立し、現店をオープン。「気軽に楽しめるイタリアンレストラン」をコンセプトに、吟味した素材で作るシンプルなトスカーナ料理と厳選したワインを提供する。


「あと一歩」の火入れで、次の味を入れ込む

寒くなってきたら、牛スネ肉で「ペポーゾ」を作りましょう。たっぷりの黒コショウと赤ワインで長時間、じっくり煮込んだトスカーナの郷土料理で、黒コショウの辛味が効いた濃厚な味わいにワインが進みます。

ブランド肉でなく、スーパーで売っている「シチュー用スネ肉」のような、手頃な価格の肉で十分おいしく作れますが、白い筋が多いものを選びたい。筋に囲われている部分は煮崩れしにくく、筋から出るゼラチン質はソースの旨味になりますから。

煮込むコツは、肉にしっかり味を“入れ込む”こと。スポンジをイメージするといいです。水分を含んだスポンジ=生肉を炒めると、肉汁が一度、肉の外に染み出します。時間をかけて炒めると、その水分が蒸発し、肉汁の旨味だけが再び肉に戻ります。この時、水分=味が入る隙間ができる。

鍋底が濁った汁から透明な汁に変わると、その準備が整った合図。赤ワインやブランデーを加え、味を入れ込んでいきます。しっかり味が染み込めば、無名の肉でも、深い味わいに仕上がりますよ。赤ワインは軽すぎないものを。サンジョヴェーゼが伝統です。


「ペポーゾ」材料と作り方

【材 料】(作りやすい分量)

シチュー用牛スネ肉・・・800g
黒コショウ(粒)・・・20粒程度
ニンニク・・・3片
トマトピュレ・・・30g
ローリエ(フレッシュ)・・・2枚
オリーブ油・・・30g
赤ワイン・・・適量
塩・・・2つまみ

<材料選びのポイント>

筋の多いものを選ぶ
赤身と脂身の間には筋があるので、適度に脂身の多いものを選ぶ。筋はゼラチン質があって煮込むと旨味になる。シチュー用モモ肉も筋の割合が多いものを選ぶ。

【 作り方 】
[1]肉を切る

牛スネ肉を一口大に切る。
POINT: 肉は筋(繊維)に沿って縮む。肉が小さく縮まないよう、繊維に沿って切る。

[2]黒コショウ、ニンニクを温める

フライパンにオリーブ油、黒コショウ、ニンニクを入れて中火にかけ、ニンニクの香りが出て、軽く色づくまで熱する。

[3]牛スネ肉を加える

香りが出たら、牛スネ肉を加えて強火にし、塩をふる。
POINT:肉の水分が出ないように、塩は加熱後に加える。

[4]肉に焼き色をつける


中火に落とし、約10分程度加熱し、肉に焼き色をつける。

[5]鍋底の汁が透明になる

鍋底の液体が、透明になってきたら頃合い。

[6]トマトピュレを加える

トマトピュレ、ローリエを加え、炒め合わせる。

[7]赤ワインを加える

赤ワインを肉がかぶる位まで加える。ひと煮立ちさせたらアクを取り、蓋をして弱火で煮る。

[8]3時間煮る

途中で赤ワインを足しながら、少し歯応えが残りつつ、やわらかくなるまで、約3時間煮込む。

[9]完成

器に盛りつけて完成。


「アルベリーニ」店舗情報


◎アルベリーニ
東京都新宿区袋町2 
☎03-6265-0620
17:30~22:00LO(月~金曜)
17:30~21:00LO(土曜、祝日)
日曜、隔週月曜
各線飯田橋駅より徒歩6分
https://alberini.jp/

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2017年1月号掲載)

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