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RECIPE

古澤千恵さんに教わるトスカーナの味「ロメインレタスの蒸し炒め煮」

スローレシピ14

2023.12.28

photographs by Daisuke Nakajima

連載:スローレシピ

材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。寒い日に体も心も温まる、スローな煮込みレシピを紹介します。今回はサラダで食べることが多いロメインレタスを、食感を残しつつ蒸し煮に。いつもと違う使い方を楽しんで。

目次






教えてくれた人:「OVUNQUE」古澤千恵さん

2000 年に渡伊、トスカーナの田舎で10年暮らす。今も住まいを向こうに残し、ご主人の古澤一記さんと鎌倉・長谷で 「OLTREVINO」を営みながら、日本とトスカーナを行き来する。イタリア・アンティークのWEBショップ「OVUNQUE(オヴンクエ)」を運営。23年、「Casa OVUNQUE」をオープン。著書に『イタリア人が教えてくれた美しい暮らし方』(筑摩書房)など。

水を加えず、水分を引き出す

イタリアのマンマの煮込み料理を見ていて気付いたことがあります。それは、鍋の蓋を実に上手に使うということです。
蓋をして、素材同士をなじませる。蓋をして、味を染み込ませる。蓋をしないで、水分を飛ばす。蓋をして、しっとりした食感に仕上げる・・・。蓋技とでも言いたくなるくらい、蓋を使いこなすことで、煮込みの味を作り出していくのです。

蓋の裏に付いた水滴を鍋の中に戻すのか、戻さないのかも重要。ほとんどの場合、戻しますね。なぜって、蓋裏の水滴は食材から出たものだから。水滴もしっとりとしたおいしさの一部だから、食材に戻してあげる。それが彼らの感覚なのでしょう。

蓋を駆使する理由は、彼らの料理を自分で作ってみると、よくわかります。イタリアでは、食材自体が持つ水分で煮るんですね。ほとんど水を加えません。日本の煮物はたっぷりのダシで煮ますが、イタリア人は食材に潜む水分を引き出して煮る。加えるとしても、呼び水か補う水。ホウレンソウを茹でるにも、ほんの1cmほどの水しか張らないんですよ。なみなみと張ったお湯の中で泳がせるようにゆがく日本とは大違い。イタリアではほとんど蒸し煮。だから、蓋が不可欠なんですね。

そうやって煮ると、素材の味わいが凝縮されるのでしょうね、しみじみとおいしい。
今回ご紹介した料理は、手間がかからず、時間もさほどかかりません。蓋付きの鍋を用意して取り掛かってくださいね。


「ロメインレタスの蒸し炒め煮」材料と作り方

[材料](2~3人分)
ロメインレタス・・・2株
アンチョビー・・・2~3フィレ
松の実・・・10g
レーズン・・・15g
E.V.オリーブ油・・・適量
塩・・・適量
コショウ・・・適量

【作り方】
[1]ロメインレタスを切る
レーズンはお湯に浸けて、やわらかくしておく。レタスは芯を付けたまま、大きめ(縦4等分くらい)にカットする。

[2]アンチョビーの香りを出す
蓋付きの平鍋にオリーブ油を熱し、アンチョビーを入れて、香りを出す。

[3]蓋をして煮る
レタスを入れ、すぐに、レーズン、松の実を加えて蓋をし、茎部分がしんなりするまで煮る。その時、蓋についた水分も鍋に戻す。レタスからも水分が出て、自ずと蒸し煮の状態になる。

[4]味を調える
塩、コショウで味を調える。

神奈川・鎌倉「OVUNQUE(オヴンクエ)」の店舗情報


◎OVUNQUE(オヴンクエ)
神奈川県鎌倉市長谷2-5-40 「OLTREVINO」内
☎0467-33-4872
12:00~18:00
水曜、木曜休
江の島電鉄長谷駅より徒歩5分
https://ovunque.jp/

◎Casa OVUNQUE(カーサ・オヴンクエ)
神奈川県鎌倉市長谷1-11-13
11:30〜16:30
定休日:水曜日、木曜日、不定休
江の島電鉄長谷駅より徒歩5分
※予約制。予約はメールにてcasa@ovunque.jp

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2015年11月号掲載)

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