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小方真弓さん(おがた・まゆみ) カカオハンター
第1話「カカオプランナーになる!」(全5話)

People / PioneerFeb. 17, 2016

チョコレートとカカオの間





世界には

「チョコレート」を知らずに「カカオ」を栽培している人
「カカオ」を知らずに「チョコレート」を口にしている人
が沢山います。

“カカオからチョコレートまで”

離れた2つの世界を
「美味しさ」と「笑顔」で繋ぐことが
私たちの大きな夢です。

小方さんのWEBサイトを開くと、目に飛び込んでくる言葉です。
これが、「チョコレート」と「カカオ」の間を行き来する中で見出した彼女のミッションなのです。




「カカオを知りたい」





小方真弓さんは、1997年、クーベルチュール(製菓用チョコレート)メーカーに就職し、企画・研究部門でクーベルチュールを開発する日々を送っていました。
「仕事そのものは好きでした。でも、もっとチョコレートの本質に触れたい、カカオについて知りたいとの思いが強くなって」
2003年、独立。個人事務所「CAFÉ CACAO」を設立します。

この時、小方さんは名刺の肩書きに「カカオプランナー」と入れました。

カカオからプランニングする、カカオを商品化へと導く役割を担っていこうとの思いからでした。欧州6カ国のチョコレート市場の視察や、栽培国でのカカオ調査など、精力的に活動を開始します。
私たち料理通信が初めて彼女を取材したのが、ちょうどこの頃。

自費で、自力で





彼女の存在は画期的でした。

1.「カカオプランナー」という肩書きを作ってしまったこと
2.自費で欧州6カ国のチョコレート市場のレポートを作成
3.自費でカカオ栽培国の視察を重ねていたこと

メーカーで蓄えた製造技術の経験と知識の上に、チョコレート先進国の市場把握とカカオ栽培国の現状把握を、自力で積み上げていることが一目瞭然でした。
女性がたった一人で、赤道直下の、決して安全とは言えない国々へするりと足を踏み入れてしまっている……。そんな生易しいことではないでしょうが、そう見えるくらい、しなやかにやってのけていたのです。
Photograph by Masahiro Goda
カカオの産地は熱帯。予防接種を打つが、体温計は必需品となる。土地によって電気が通じていないこともあるため、懐中電灯も必ず持参する。




チョコ、コーヒー、ワイン





チョコレートとは、実はとても厄介な食べ物です。

1.原料(カカオ)の栽培地と製品(チョコレート)の製造&消費地が、地理的に遠く離れている
2.原料(カカオ)の栽培地と製品(チョコレート)の製造&消費地が、文化・文明的に大きく異なる。
3.原料(カカオ)から製品(チョコレート)までの加工工程が長くて複雑。

カカオと似た性格を持つ食材にコーヒーがあります。

1と2は、カカオとコーヒー、両方に共通の事柄ですね。
しかし、3に関しては、カカオのほうが、はるかに加工度が高く複雑です。
コーヒーは「焙煎→抽出」ですが、チョコレートは「焙煎→コンチング(平均的に10~20時間かかります)→テンパリング→成形」です。

コーヒーは原料も最終商品も「コーヒー」であるのに対して、カカオの場合、「カカオ」と「チョコレート」と名称自体が違うことからも想像がつくのではないでしょうか。
その意味では、「ぶどう→ワイン」が「カカオ→チョコ」の関係に近いかもしれません。
しかし、「ぶどう→ワイン」は地理的にも文化的にも同じ場所で行われるのに対して、「カカオ」と「チョコレート」の間は分断されているのです。

2つの領域を股にかける







つまり、カカオ領域とチョコレート領域は異なる文化圏と言えます。

たとえば、パティシエやショコラティエは、チョコレート圏の人々。
事実、彼らにとっての材料とは、クーベルチュールであって、カカオではありません。

そういう意味では、クーベルチュールが、チョコレート圏とカカオ圏の接点と言える。
小方さんが勤務していたのは、クーベルチュールメーカーでした。
小方さんは、カカオ圏とチョコレート圏、両方にまたがる形で仕事をしていたわけです。
そのことが彼女の仕事の方向性を決めた。そこを彼女は武器にしたのです。

小方さん自身は「本能のおもむくままだった」と言うかもしれません。しかし、その選択が、彼女を唯一無二の存在にしたことは間違いのない事実です。

チョコレートの魅力にとりつかれる人はたくさんいます。
仕事にしたいと思う人もきっとたくさんいるでしょう。
実際、パティシエの勉強の他に、ショコラティエの勉強もする若手が増えました。
でも、その多くは、チョコレート圏での話。
小方さんは、カカオ圏とチョコレート圏、両方を行き来し、両方を結ぶことに、自分の役割を見出しました。分断されて語られてきた2つの領域を1つにすることに、ミッションを見出したのです。
コロンビアで、カカオ生産者に彼らのカカオで作った日本のチョコレート製品を紹介。皆、自分たちのカカオが日本でこんな風になったの!?、と興味津々。(エミリーズチョコレート奥沢さんとシエラネバダのカカオで作ったコラボチョコレートをご紹介)




ミッションが支えてくれる





ミッションを持つ。
仕事をしていく上で、とても大切なことのように思います。
ミッションは、社会のためであると同時に、自分のためでもあるからです。
ミッションがあると、今自分がやろうとしていることは、自分一人の問題ではないと思える。
ミッションが自分を支えてくれるのです。
道を開こうとする時、困難は付き物です。
しかし、自分一人の問題ではないとしたら、いちいちくじけている暇はありません。
困難を乗り越えるパワーを、ミッションが与えてくれることになるのですね。

私たちがカカオについて記事を作ろうとする時、小方さんはいつも与え得る限りの知識を披露してくれました。
一人でも多くの人にカカオ圏に入ってきてほしい。カカオ圏のことを知った上でチョコレートを理解してほしい。そんなカカオ圏とチョコレート圏を結ぼうとする気持ちが、彼女にそうさせたのでしょう。
私たちは、小方さんに「彼女の仕事は彼女一人のものではない」、そんな側面を感じていたように思います。
(次の記事へ)

小方真弓(おがた・まゆみ)
チョコレート原料メーカーにて勤務後、個人事務所「CAFE CACAO」を設立し、カカオハンターとして活動。現在はコロンビアに移住し、カカオ豆の輸出入、チョコレート工場建設、Bean to Bar市場用機械の共同開発等を行いながら、カカオ市場の価値向上に取り組む。







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