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小方真弓さん(おがた・まゆみ) カカオハンター
第3話「“やりたい”を“できる”に変える」(全5話)

People / PioneerFeb. 17, 2016

コロンビア移住の理由







小方さんは、2013年3月、コロンビアへ移り住みました。
2010年、コロンビアのカカオ生産・輸出企業「Cacao de Colombia S.A.S.」に出資すると同時に、品質管理ディレクターに就任。業務を本格的に遂行すべく、本拠地をコロンビアに据えたのです。

Q: コロンビア移住の理由は?
A: 「やりたいこと」を「できること」に変える条件が揃っていたからです。

日本にカカオはありません。カカオの開発をしたいなら、赤道近くに行くしかありません。それが、私の選んだ仕事の最低条件なのです。
根を張り、身体を張って、カカオと向き合わなければ、カカオを知ることはできない。私たちの文化の根底にカカオはないのですから。


コロンビアは、中南米の真ん中であり、カカオのポテンシャルがたくさん眠っています。カカオ豆生産量43,000(2010/2011)トンで、ベネズエラよりも多く、量は極小ながらも多くのバラエティーのクリオロ(カカオの品種の中でも最も良質とされ、原種に近い品種)が存在します。

何より、ここでは、カカオ豆からすぐにチョコレートの開発ができる。目指すクーベルチュールの味に合わせて、農地・生産者・カカオ豆を一から調整できるメリットがあるのです。これからはそういう時代だと確信しています。

しかも、コロンビアは経済水準・産業水準も向上しているので、近い将来、さらなる発展も期待できます。

つまり、私にとって「やりたいこと」を「できること」に変える条件が揃っているのです。
その可能性を自分の手で実現するために、ここにいる。

「Cacao de Colombia S.A.S.」という最高のビジネスパートナーたちがいて、希少なカカオが眠っている。「眠っているポテンシャル」を探し出し、育てることが、ここでの私の仕事です。

エクアドルとの国境近く、コロンビア・トゥマコのカカオ生産者と共に。後ろに見えているのはカカオの天日乾燥台。




産地にいるからできること





Q: コロンビアでの仕事の中身を教えてください。
A: 主に9つの仕事を進めています。

1 カカオ豆輸出
Cacao de Colombia で開発したカカオ豆を、ローカル生産者とともに、ヨーロッパを中心に輸出しています。

2 クーベルチュール製造
開発したカカオ豆を使って、コロンビア内でクーベルチュールのオーダーメイド生産を始めています。目指す商品に向けて、カカオ豆の品種の選定、収穫、発酵、乾燥、豆の熟成、焙煎、コンチングのすべてをコントロールします。チョコレートの技術開発担当は、私です。
「パティシエ エス コヤマ」小山進シェフが2012年の「C.C.C.」*に出品した作品(見事、最高評価を獲得しています)用に開発したクーベルチュールがそれにあたります。

*C.C.C.
Club des Croqueurs de Chocolat クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ
フランスの最も権威のあるショコラ愛好会。日本語に訳すと「ショコラをかじる人たちのクラブ」。毎年春ごろにコンクールを実施(板チョコの数で評価。1タブレットから5タブレット、+☆までの6段階評価で、“5タブレット+☆”が最高位)。10月にはガイドブックを発行し、結果とともにコメントも掲載している。

3 チョコレート工場建設
少量でも高品質のクーベルチュール・最終商品を生産して国内外市場に供給するために、チョコレート工場の建設と、加工機械の開発をCacao de Colombia として行っています。

4 カカオハンティングと接ぎ木による保護
コロンビアの山の中や各地に入り、カカオ・ブランコ(胚乳部が白い、クリオロと想定されるカカオ)やポテンシャルの高いアロマカカオのカカオハンティングを行っています。
新たな品種を見つけた場合は、これを接ぎ木して保全することを2012年より始めました。

5 コロンビア国外のカカオハンティング
個人事務所CAFE CACAOとして、コロンビア国外のカカオハンティングを行っています。先月はエクアドルの最も古いナシオナルの地域に行きました。

6 コロンビア国内カカオコンクールの企画
スイスNGOとCacao de Colombia 共同で、コロンビア国内の品質向上を目的とした、カカオコンクールの企画を受けています。品質に対する「評価」を設定することが目的です。

7 カカオ豆の輸入、販売
日本帰国時に合わせて、コロンビアで開発・選別・パッキングしたカカオ豆を輸出し、帰国と同時に個人輸入・販売することを始めています。
日本でも少しずつ広がってきている「Bean to Bar」市場の活性化が目的です。

8 カカオセミナーの開催
帰国時に、少人数制のカカオセミナーを開催し始めました。カカオ豆で起業したい方(主にBean to Bar)や、カカオに興味のある方が対象です。

9 機器の共同開発
日本とコロンビアで機器開発に参画。日本では、コーヒー焙煎機メーカー富士珈機と共同で、極小ロットでカカオ豆を加工できる機器の開発、市場開拓を行っています。

「カカオハンター」になる!





コロンビアへ移住する際、小方さんは肩書きを、「カカオプランナー」から「カカオハンター」へと変えました。
それは、自分の立脚点を「消費地」から「栽培地」へと移す意思表示でもありました。
事実、仕事におけるカカオハンティングの比重が高まっていることは、小方さんから送られてくるメールで感じられました。

「数時間後にアルコワ族の極稀少なカカオを探しに山にこもります。下山は日本時間で日曜日の予定です。族の長への手土産は肉です。そういうつながりが、ここでは大切だったりします。」
Friday, April 19, 2013

「アルコワ族の山は過酷でした。岩だらけの山道で、ラバで10時間近くかかり、薪を焚き、ハンモックで寝る生活でした。でも、その甲斐あって、カカオ・ブランコを見つけてきました。 本当に少ないので、大切に接ぎ木をして育てていくことになるかと思います。」
Thursday, May 02, 2013


(写真上)アルコワ族の山はラバで移動。カカオハンティングで訪れるところは、険しい土地が少なくない。(写真下)酋長(部族長)に会い、いま植えているカカオや、彼らが持っている古来種について説明をした。




可能性が果てしなく拡がった





コロンビアへ移り住んで、小方さんの立場は「橋渡し役」から「提供者」へと、ゆるやかに移行していきました。

ちなみに、小方さんは「カカオハンター」という言葉を商標登録しています。
小方真弓という存在こそが唯一無二の商品なのですね。

チョコレート圏からカカオ圏へと拠点を移した小方さんが今、手掛けるのは、消費者の口に入るずっと以前の事柄です。地理的に遠くへ来たばかりでなく、プロセス的にもずっと遠い地点へと小方さんは到達した。
しかし、その分、チョコレートとの関わり方として、可能性が恐ろしく拡がっていることも事実です。
世界的に稀少なカカオによるタブレットを世界初で売り出すこともやってのけられるのですから。
(次の記事へ)

小方真弓(おがた・まゆみ)
チョコレート原料メーカーにて勤務後、個人事務所「CAFE CACAO」を設立し、カカオハンターとして活動。現在はコロンビアに移住し、カカオ豆の輸出入、チョコレート工場建設、Bean to Bar市場用機械の共同開発等を行いながら、カカオ市場の価値向上に取り組む。







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