野菜餡に米粉をまぶして蒸して、肉のような弾力に。「野菜団子/水餃子」
プラントベースの始め方28
2023.03.06
photographs by Daisuke Okamori
連載:プラントベースの始め方
健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。
教えてくれたシェフ
大阪・谷町「中国食堂261」中尾信次さん
野菜餡にも、肉に通じる粘りを出す裏ワザ
昼夜ともにヴィーガン対応もする中尾シェフ。食事制限がある常連客の期待に応えるうち「肉の代用品を使わなくてもいける」という境地に。「野菜のほうが断然味わいに深みが出る。あとは食感ですね」。
野菜だけでは出しにくい弾力作りに一役買っているのが、米粉と米ぬかだ。水餃子に用いるキャベツや、野菜団子に使う小松菜は米粉をまぶして蒸すと、肉に通じる粘りが出る。さらに野菜団子の具には米ぬかを混ぜることで、揚げ上がりはホクホク。身詰まりもよく独特の香ばしさが出るからビールが進む。食感の工夫こそ、ヴィーガンをストレスなく楽しむ大きな秘訣かも。
<おすすめプラントベース食材>
<植物性食材だけでおいしくなるコツ>
1.茹で野菜に粉をまぶして蒸し、粘りを出す。肉のような弾力が出る。
2.蒸した野菜餡に、米ぬかを混ぜて揚げると、ホクホク食感に。
「水餃子」の作り方
[材 料](2人分)
キャベツ・・・3枚
米粉・・・大さじ2
ニラ(みじん切り)・・・1/2束
ネギ(みじん切り)・・・3本
ショウガ(すりおろし)・・・1片
塩、コショウ・・・各適量
濃口醤油、ゴマ油・・・各適量
〈皮:約25個分〉※市販の皮でも可
強力粉・・・140g
水・・・50g
塩・・・少量
[作り方]
[1]皮を作る
ボウルにすべての材料を入れ、ひとつにまとまるようしっかり練る。20分寝かせたら棒状に伸ばし、1個8gに分けて麺棒で薄く丸く伸ばす。
[2]キャベツをみじん切りにする
キャベツは塩茹でしてみじん切りにする。軽く水気を絞り、ボウルに入れる。
[3]蒸篭で蒸す
2に米粉をまぶして約1分蒸篭で蒸す(蒸篭がない場合は、数分湯煎にかけながら混ぜる)。
POINT:野菜だけの餡だと粘りが出ないが、米粉をかけて蒸すと、キャベツにほんのり粘りが出て、肉なしでも弾力が出る。
[4]粗熱をとり、調味する
粗熱を取った3に、ニラ、ネギ、ショウガを混ぜ、塩、コショウ、少量の醤油で味を調える。
[5]皮に包んで茹でる
皮で4を12g包み、3分茹でる。器に盛り、タレ(醤油とゴマ油を撹拌)をかけ、刻んだネギ(分量外)を散らす。
「野菜団子」の作り方
[材 料](2人分)
小松菜・・・150g
米粉・・・10g
米ぬか・・・15g
塩・・・適量
ゴマ油・・・25ml
菜種油・・・適量
[作り方]
[1]小松菜を茹でて刻む
小松菜は塩茹でして、少し水気を絞りみじん切りにする。
[2]米粉をまぶし、蒸す
1に米粉をまぶして蒸篭で約1分蒸す。蒸篭がない場合は湯煎にかけ、もったりするまで数分混ぜる。
[3]米ぬか、塩、ゴマ油を加えて混ぜる
2に米ぬか、塩を加えて混ぜ、さらに粘りを出し、ゴマ油を加え混ぜ合わせる。
POINT:米粉で粘りを、さらに米ぬかを加えて香ばしさとホクホク感がアップ。
[4]成形し、揚げる
3を少量握り、親指と人差し指の隙間から丸く絞り出す。170℃以上に熱した菜種油で表面が色づくまで揚げる
ゴマ油の香りに、揚げた小松菜特有の海藻に通じる風味が重なり飽きさせない味わい。
◎中国食堂261
大阪府大阪市中央区上本町西2-6-1
☎06-6762-0261
12:00~、13:20~(2部制)、18:00~21:00
月曜~水曜休
大阪市営地下鉄谷町六丁目駅より徒歩3分
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため要請に合わせて営業時間が変わることがあります。
(雑誌『料理通信』2019年7月号掲載)
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