薬味を添えて何通りも楽しめる「かんぴょう煮」
プラントベースの始め方47
2025.02.27

photographs by Hide Urabe
連載:プラントベースの始め方
健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。
教えてくれた人
東京・学芸大学「あめつち」土井美穂さん

「あめつち」店主。鎌倉「なると屋+典座」を経て2013年に現店を開店。旬の野菜を中心に、豆、乾物などを使った家庭料理とそれに寄り添う、昔ながらの手法で丁寧に作られている小さな酒蔵の純米酒を中心に揃える。『ミシュランガイド東京 2022』にビブグルマンとして掲載。
薬味を添えて、満足感アップ
「特に意識しているわけではありませんが、メニュー全体の3分の1くらいは動物性食材を使っていません」と「あめつち」の土井美穂さん。
かんぴょう煮はワサビやノリなど、少しずつ味変できる脇役を配して楽しませるなど、味が単調にならない工夫を巧みに盛り込む。動物性ゼロでも満たされるのは、味の強さより、作り手の細やかさによるところが大きい。
かんぴょうは製品によって、1時間煮ても煮崩れないものもあれば、30分でグズグズになるものも。今回はスーパーに多い薄いタイプを使用し、煮る時間は短めに。
「かんぴょう煮」の材料と作り方
[材料](作りやすい分量)
かんぴょう・・・20g
塩・・・小さじ1
A 昆布だし・・・大さじ5
砂糖(きび砂糖)・・・5g
ザラメ糖・・・15g
みりん・・・小さじ1/2
濃口醤油・・・大さじ1.5
ミョウガ、ワサビ、焼き海苔、炒り白ゴマ・・・各適量

かんぴょうは薄いタイプをセレクトし、短時間で仕上げる。
[作り方]
[1]もみ洗いする
ボウルにかんぴょうを入れ、かぶるほどの水と塩を入れてもみ洗いをする。
[2]茹でる
鍋に湯を沸かし、1を軟らかくなるまで5分ほど茹でて冷水にさらし水気を絞る。
[3]煮含める
鍋に2とAを入れ火にかける。沸いたら火を弱め、落とし蓋をして10分ほど汁気がなくなるまで、時々上下を返して煮含める。冷めたら食べやすい長さに切る。【POINT】煮上がりはかんぴょうに爪がちょっと食い込む硬さが目安。
[4]薬味を用意する
ミョウガは縦のせん切りにして水にさらした後、水気をきる。ワサビはすりおろす。海苔は食べやすい大きさに切る。
[5]仕上げ
器に3を盛り付けてかんぴょうにゴマをふり、4を添える。【POINT】ゴマやワサビ、海苔を添えて味に変化を。ミョウガは箸休めに。

(雑誌『料理通信』2019年7月号掲載)
東京・学芸大学「あめつち」の店舗情報
◎あめつち
東京都目黒区中町1-35-7
☎03-3712-1806
平日18:00~21:00LO
土曜、日曜、祝日17:00~20:00LO
月曜、火曜休(祝日は不定休)
急線学芸大学駅より徒歩12分
http://www.ame-tsuchi.com/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
掲載号はこちら