二日酔い予防にも! 雑誌『料理通信』酒場特集スピンオフ企画 「GEM by moto」に教わるプルーンつまみ
1970.01.01
FEATURE / MOVEMENT
text by Reiko Kakimoto / photographs by Daisuke Nakajima
雑誌『料理通信』3月号「気持ちいい酒場」特集のスピンオフ企画。新世代酒場のトップバッターとして登場した恵比寿「GEM by moto」で、ドライプルーンとプルーンピューレを使ったつまみレシピを教えていただきました。なんと二日酔い予防にもぴったりだとか……。
「酒は飲んでも飲まれるな」とは言うけれど……
緻密な分析力と豊かな経験で、ぴたりと客好みの日本酒を出し、さらにその世界を広げてくれる。そんな夢のような酒場が、東京・恵比寿の「GEM by moto」だ。しかしおいしいからって、お酒だけ呑んじゃあいけません。「酒は飲んでも飲まれるな」とは、飲兵衛が夜な夜な自ら言い含め、後悔とともに思い返す一句である。
二日酔いになりにくい方法、それはつまみと一緒に楽しむことだ。空腹だと肝臓のアルコール分解が追いつかず、胃や腸に吸収されてしまい、これが二日酔いのもととなる。お酒はつまみとご一緒に。とりわけ食物繊維を多く含むものがアルコール吸収を穏やかにするのだとか。
果物を使ったつまみが酒の味を広げ酔いを防ぐ
「最近の日本酒はグルコース(ブドウ糖)の値が高めのお酒が増えました。そんなお酒に合うのは、塩気より酸味」と言うのは、「GEM by moto」の千葉麻里絵さん。果物が入ったつまみは、日本酒の新たな魅力を引き出すという。そこで今回は、食物繊維が豊富で、利尿作用もあるカリフォルニア産のドライプルーンを使って、二日酔い予防にもぴったりのつまみを作ってもらった。
麻里絵さんが、まずビビッと反応したのは、プルーンピューレ。
「……ん! 甘味が柔らかく立って、適度な酸、味の抜けもいいですね。これ、そのままでもつまみにできますよ!」。どぶろくと合わせると、乳酸系のクリーミーな酒にプルーンの酸がそっと寄り添う。ああ、天国的美味です……。
料理を作ってくれた料理長は、「プルーンは意外と甘くない。酸と甘味がバランスよく含まれていて、レーズンほど主張しすぎず、隠し味としても使えるし、ピューレ状にすると梅肉の要領で使えると思います」。
確かに「菜の花とウドのプルーンピューレ和え」は、一口食べてもプルーンが使われているとは感じない。上品な酸とべたつかない甘味が、ほろ苦い山菜を引き立てている。「鶏とドライプルーンのマスタードクリーム煮込み」は単調になりがちなクリーム風味に、プルーンの食感と酸がアクセントに。
お店でも提供されるというこの2品。プルーンでおいしく、二日酔いも予防したいものだ。
ドライプルーンを使ったつまみが
二日酔い対策に有効な理由
アルコールによる脱水症状で栄養素が失われ、さらにアルコールが水と二酸化炭素に分解される過程で生成される有害物質のアセトアルデヒドが、二日酔いの原因と言われています。そんな時、症状の緩和に役立つのが、プルーンに含まれるカリウム、鉄、マグネシウム、ビタミンB6。
ビタミンB6 と鉄分は、二日酔いの際のだるさや疲労感を和らげ、カリウムが筋肉の機能を正常化させます。また、ビタミンB6、マグネシウム、鉄がエネルギー代謝を正常化させ、マグネシウムは酸化ストレスから細胞を守る働きをします。さらにプルーンには、肝臓でのアルコール分解を促進するナイアシンも含まれています。
鶏とドライプルーンのマスタードクリーム煮込み
Recipe
【材料 2人分】
鶏モモ肉……大1枚
タマネギ……1/2個
ドライプルーン……5~6粒
生クリーム……200ml
粒マスタード……大さじ1
セルフィーユ……適量
塩、白コショウ……各適量
オリーブ油……適量
1) タマネギは薄切りに、ドライプルーンは1/4に切る。
2) フライパンを火にかけ、オリーブ油を引き、透き通るまでタマネギをソテーする。
3) 鶏モモ肉を大きめの一口大に切り、別のフライパンで焼く。皮目をしっかりソテーしたら、塩、コショウで味をつけ、焼き色がついたら返して焼く。
4) 3のフライパンに2と生クリーム、ドライプルーンを加え、中火で7~8分煮込む。
5) マスタード、塩、コショウで味を調える。器に盛り、セルフィーユを添える。
菜の花とウドのプルーンピューレ和え
Recipe
【材料 2人分】
菜の花……8本
小エビ……4尾
山うど……10cm
<和え衣>
プルーンピューレ*……大さじ4
濃口醤油……大さじ2
みりん(煮切る)……大さじ2
*プルーンピューレの作り方
種抜きプルーン200gと、ぬるま湯90mlをブレンダーにかける。滑らかにしたい時には裏漉しをする。
1) 菜の花と小エビを、塩少々(分量外)を入れた湯でさっと湯がく。菜の花は3等分に、小エビは6cm長さほどに切り揃える。
2) 山うどを半分に切り、半割りにする。皮をむき、短冊切りにする。
3) 和え衣の材料をよく練り混ぜ、1と2を加えて和える。
SHOP DATA
◎GEM by moto
東京都渋谷区恵比寿1-30-9
☎ 03-6455-6998
17:00~24:00(土・日・祝は 13:00~21:00)
月曜休
JR、東京メトロ恵比寿駅より徒歩10分
「プルーン」に関するお問い合わせ
◎カリフォルニア プルーン協会
http://www.prune.jp