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FEATURE / MOVEMENT

EATALYが提案するイースターの愉しみ方 ピクニック“パスクエッタ”で味わう おいしいイタリア!

1970.01.01

FEATURE / MOVEMENT


text by Noriko Horikoshi / photographs by Masahiro Goda / styling by Rie Hanazawa


クリスマスと並ぶ2大宗教行事

イタリアのイースター “パスクア”は、年によって日付が替わる移動祝祭日。“春分の日以降の最初の満月の次の日曜日”と定められていて、2019年は4月21日がパスクアに当たります。
十字架に架けられたキリストの復活を祝う日であり、キリスト教徒にとっては生誕祭のクリスマスと並ぶ重要な宗教行事。パスクア当日の午前中には、連れだって教会のミサに参列する人々の姿が見られます。
敬虔なクリスチャンたちが手に持って出かけるのは、茹で卵入りのカゴや器。生命と豊穣のシンボルでもある卵は、キリストの復活を祝うお祭りに欠かせない食材。現在は卵型のチョコレートを贈り合うのが一般的ですが、本来はミサで祝福を受けた卵を持ち帰り、復活祭のごちそうに添えるのが古くからの習慣でもあるのです。

大勢の家族で囲むパスクアのごちそうは、大皿にたっぷりと盛り付け、銘々で取り分けて食べる。EATALYのレストランではこの時期、仔羊のローストやアーティチョーク、ラザニアなどの料理が楽しめる。(~4/30まで)

家族で囲むパスクアの食卓

教会から帰った後は、家族や親戚同士が集まって賑やかに食卓を囲む“パスクア・ランチ”の時間。「パスクアは多くのイタリア人にとって、家族の結びつきを確認する日でもあります」と話すのは、イタリア暮らしの経験も長いEATALYの渾川駒子さん。
「この日のためにマンマが腕を振るい、長い時間をかけて皆でごちそうを楽しみます。宗教行事ではあるけれど、それ以上に、春の到来を喜ぶ年中行事でもある。それが現代のパスクアです」
お祝いの料理は前菜に始まり、パスタを含むプリモピアット、メイン、デザートまで続くフルコース。前菜には生ハムやサラミの盛り合わせ、オリーブのほか、特別な日にふさわしい野菜料理が並ぶことも。
「特に、アーティチョークはパスクアに欠かせない野菜のひとつ。旬の生そら豆“ファーベ・フレスケ”をフレッシュなペコリーノと盛り合わせる前菜も、この時期ならではの風物詩です」
手打ちのパスタに続いて、メインの肉料理がテーブルに。パスクアのごちそうといえば、“アニェッロ”と呼ばれる仔羊肉。ローズマリーの風味をきかせたシンプルなグリルやローストや煮込みに、付け合わせはイタリア風ローストポテト“パターテ・アル・フォルノ”をたっぷり、が定番です。



パスクアに欠かせないお菓子「コロンバ」

パスクアの伝統菓子「コロンバ」。EATALYでは写真の「コロンバ・ボニファンティ」(3700円/税別)、「コロンバ アル チョコラート」(4000円/税別)を販売。空を飛ぶ鳩を模した十字型の形がキュート。

メインの後のデザートには、これもパスクアに欠かせないドルチェ「コロンバ」が登場。コロンバはイタリア語で鳩のこと。そのネーミングどおり、平和の象徴である鳩の形をかたどった焼き菓子です。
パスクアの起源については諸説ありますが、本格的に売られ始めたのは「1930年頃だといわれています」と渾川さん。
「クリスマス用の焼き菓子、パネットーネの大手メーカーが、同じ生地でパスクア用のお菓子を考案し、売り出したのが始まりといわれます。だから、中身は基本的にパネットーネと一緒。レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを混ぜ込むレシピも変わりません」とのこと。独特のしっとり感は、酵母と乳酸菌からおこしたパネットーネ種を用いて長時間発酵させることで備わるものなのです。
「だから、家庭で作ることはまずなくて、“コロンバは買うもの”というイメージ。パスクアが近づくと、スーパーの店頭にはコロンバが山積みで売られています。食べるときは、少しずつ切り分けて。残ったら、翌日のパスクエッタのピクニックに持っていったりもするんですよ」



ドライフルーツを混ぜ込んだ生地の上に、アーモンドとパールシュガーを加えたヘーゼルナッツのグラサージュをかけて焼き上げている。外側はカリッと、内側はしっとり、もっちりの吸い付くような食感。

友人とピクニックを楽しむ“パスクエッタ”

パスクエッタのピクニックには、手軽で求めやすいテイクアウトのハム(660円~/税別)や産地やタイプの種類も豊富なチーズ(930円~/税別)がおすすめ。ワインつまみにぴったりのグリッシーニ(940円/税別)も必携! フォカッチャ(2ピースで550円/税別)、パニーニ(600円/税別)も、戸外で食べるといっそうおいしい。

渾川さんの言う「パスクエッタ」とは、イタリア語に直訳すれば「Pascuetta=小さなパスクア」の意味。暦の上では、パスクアに続く月曜日の祭日を指します。
パスクアが家族のための日であるのに対し、パスクエッタは友人たちと過ごすのが一般的。特に、ピクニックに出かけるのが国民的な習慣になっているそう。渾川さんも、イタリア時代には、そんなパスクエッタの楽しみを満喫した1人。
「パスクエッタといえば、ピクニックです! 天気がよければ、郊外の山や海へハイキングに。近くの公園で戸外ランチを楽しむ風景も、よく目にしましたね」
出かけるときは、パンやお惣菜、野菜、フルーツなどの食べ物持参で。そして、忘れずにワインも! クロスを広げた上に持ってきたものを並べ、気のおけない仲間同士でワイワイ飲み、食べ、おしゃべりをしながら長い午後を楽しむ。それが、イタリア式パスクエッタの典型的な過ごし方です。



あり合わせの食材で気軽なランチを

パスクエッタのランチは、手軽なピクニック・メニューが基本。渾川さん曰く、「前日のパスクアのように手の込んだ料理ではなく、日本のお弁当のように気合を入れて作る感じもありません(笑)」。
あり合わせの食材をカゴに詰め、切ったり並べたりは現地で。イタリアとくれば、やっぱりハム、チーズ、オリーブの実の3点セットは欠かせません。豚もも肉の“プロシュート・クルード”や、首肉の“コッパ”、脂身の多い“パンチェッタ”など部位違いの生ハム、ハーブを巻き込んだ豚肉の“ポルケッタ”、サラミ、モルタデッラなどのソーセージ類は、そのままつまんで、パンに挟んで、あるいはグリッシーニに巻き付けて。ミラノ名物のパン“ミケッタ”にミラノサラミを挟むパニーニは、渾川さんによれば「日本の塩むすび的なド定番」だそう。
「チーズは3月(Marzo)に因むフレッシュなチーズ“マルツォリーノ”が、この季節にぴったり。パニーニのソースにも使える瓶詰のペーストも、ピクニックには重宝します」
切り売りのピザやフォカッチャのテイクアウトなら、もっと簡単。そして、おいしい。EATALYにもイタリア各地自慢のハム、チーズ、パン、惣菜、瓶詰のペースト類が種類豊富に揃っています。
この春、イタリアのパスクエッタに倣って、ピクニックデビューしてみませんか?




【Recetta】
EATALYの食材で作る!
シンプルだけどとびきりおいしい
パニーニの組み立て方

イタリア人の国民食ともいえるパニーニ。
カットしたパンに好みの具材を挟んで頬張れば、ピクニック気分も盛り上がります。
ここでは、イタリア人にとって最も身近なサラミとチーズを使ったパニーニをご紹介。
ほとんどの食材がEATALYで手に入ります!



イタリアンカラーの3素材でシンプルなパニーニを。グリーンオリーブのペーストを瓶詰にしたROI社の「ポルポリーヴァ・ヴェルデ」(1200円)をソース代わりに使用。チーズはトスカーナのチーズ生産者「イル・フィオリーノ」のフレッシュなチーズ、マルツォリーノで。本来は羊乳のみで造られることが多いが、この商品は牛乳80%でよりマイルドに仕立てている。


《材料》
パニーニ……1/2本
サラミ(ミラノサラミ)……3枚
チーズ(マルツォリーノ)……15g
ソース(「ROI:ポルポリーヴァ・ヴェルデ」)……5g
ルーコラ・セルヴァティカ……5g

《作り方》
1.パニーニはオーブントースターで焼き目をつける。端を残して半分にカットする。




2.チーズを挟む。




3.ソースをチーズの上にのせる。
POINT:味が強いのでつけ過ぎない。




4.ルーコラ・セルヴァティカが全体に行きわたるようにのせる。




5.サラミは軽く折るように、ふわりとのせる。




6.完成。ピクニックに持っていく時は紙に包んでもよい。




イタリア産の生ハムやサラミ、バリエーション豊かなチーズなど、テイクアウトできる具材を自由に選んでオリジナルのパニーニを。







◎ EATALY
https://www.eataly.co.jp/

EATALYグランスタ丸の内店
東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅B1
☎ 03-3217-7070

EATALY日本橋三越店
東京都中央区日本橋室町1-4-1日本橋三越新館B1
☎ 03-3527-9660





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