まだまだ知らない個性と使い方を発見!
「アクアパッツァ」日髙良実シェフ考案のEU産オリーブオイルレシピ
2022.04.07
【PROMOTION】
text by Kyoko Kita / photographs by Masahiro Goda
日本の食卓にすっかり浸透したオリーブオイル。けれど、まだまだ知らないオリーブオイルの個性と使い方を発見する「EU産オリーブオイル&日本食材 パーフェクト・マッチ! セミナー」が開催されました。レシピを考案した東京・南青山「アクアパッツァ」の日髙良実シェフの厨房へ、まずはご案内します。
目次
- ■栽培品種は2000種類以上! 百花繚乱のEU産オリーブオイル
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■日本のハーブと好相性なクロアチア産オリーブオイル
日髙シェフ考案レシピ①「ポーランド産牛肉のカツレツパニーノ」 - ■厳格な制度によって、品質と安全性を保証
- ■品質も味わいもストーリーも日本人のニーズにパーフェクト・マッチ!
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■風味穏やかなレンコンにポルトガル産オリーブオイルが寄り添う
日髙シェフ考案レシピ②「ポルチーニと蓮根のアランチーニ」
栽培品種は2000種類以上! 百花繚乱のEU産オリーブオイル
「EU産オリーブオイルがこれほど個性豊かだとは知りませんでした」
そう驚きをもって語るのは、30年以上に渡り日本のイタリアンを牽引し続ける「リストランテ アクアパッツァ」の日髙良実シェフです。
日髙シェフは、今年2月に行われた「EU産オリーブオイル&日本食材 パーフェクト・マッチ! セミナー」で、EU産オリーブオイルを使ったレシピを考案するにあたり、EU6カ国のオリーブオイルをテイスティングしました。
日頃お店で使っているのは、北イタリア産の香りがおだやかでクセのない、万能タイプのオリーブオイル。生産量の多いスペイン産やギリシャ産も使用経験があるものの、それ以外の国のオリーブオイルは初体験だったようです。
「ポルトガルは隣国のスペインと少し似ていますね。馴染みのある風味で、どんな料理にも合わせやすい。クロアチア産は、青い草の香りが印象的でした。アシノエリャという伝統品種で作られたギリシャ産のオリーブオイルは、苦味と辛味のパンチが鮮烈です!」
日本のハーブと好相性なクロアチア産オリーブオイル
日髙シェフ考案レシピ①「ポーランド産牛肉のカツレツパニーノ」
「ポーランド産牛肉のカツレツパニーノ」 材料と作り方
[材料](2人分)
牛肉(サーロイン/ポーランド産)①・・・120g
デュガスチーズ(PGI・リトアニア産)②・・・適量
カラマタオリーブ(PDO・ギリシャ産)③・・・1/2個
食パン(6枚切り)・・・2枚
セリ・・・1株
三つ葉・・・2本
塩・・・適量
<衣>
デュガスチーズ(PGI・リトアニア産)②・・・20g
小麦粉・・・適量
卵・・・適量
パン粉・・・80g
<パプリカのアイオリソース>
ハチミツ(ルーマニア産)④・・・5g
パプリカパウダー(ハンガリー産)⑤・・・5g
ニンニク(スペイン産)⑥・・・5g
E.V.オリーブオイル(クロアチア産)⑦・・・5g
卵黄・・・1個
レモン汁・・・15g
サラダ油・・・100g
塩・・・適量
<レモンドレッシング>
E.V.オリーブオイル(クロアチア産)⑦・・・10g
レモン汁・・・5g
塩・・・1g
[作り方]
1 牛肉に塩をふり、小麦粉、溶き卵、デュガスチーズと混ぜ合わせたパン粉の順に衣をつける。
2 アイオリソースを作る。ボウルに卵黄、レモン汁、ハチミツを入れて泡立て器を使って混ぜる。サラダ油を少しずつ加えながら、マヨネーズ状になるまでよく混ぜる。パプリカパウダーとすりおろしたニンニクを加え、塩で味を調える。仕上げにオリーブオイルを加えて混ぜる。
3 フライパンに多めの油を引き、1を揚げ焼きにする。
4 ドレッシングの材料をすべて混ぜ合わせ、食べやすい大きさに切ったセリと三つ葉を和えておく。
5 耳を切ってトーストしたパンにアイオリソースを塗り、半分に切った3のカツレツをのせ、アイオリソースを垂らす。4のサラダ、2㎜厚にスライスしたオリーブ、スライスしたデュガスチーズをのせ、パンで挟む。
✓日髙シェフのオリーブオイル使いのポイント!
パプリカで鮮やかなアイオリソースの仕上げに、辛味&苦味で存在感のあるクロアチア産のオリーブオイルで風味アップ。
世界の生産量の66%を誇るEU産オリーブオイル。スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、フランス、スロベニア、クロアチア、キプロス、マルタの9カ国で作られていますが、99%は上位4カ国(スペイン産67%、イタリア産14%、ギリシャ産13%、ポルトガル産5%)が占めています。
一方、栽培されているオリーブの品種は2000種類以上。小さな村の中だけで受け継がれている土着品種もあり、同じ品種でも土壌や気候、搾油所の規模や製法によって、出来上がるオリーブオイルの味わいは異なります。テロワールによって、作り手によって、味わいの個性が生まれるのはワインと同じ。日本の食卓にオリーブオイルが浸透して久しいとはいえ、認識されているオリーブオイルはまだほんの一部なのかもしれません。
2019年、日本とEU間で経済連携協定(EPA)が締結されたことで、他のEU産食材と共に、EU産オリーブオイルの多様性に触れる機会は、今後さらに広がっていくことでしょう。
厳格な制度によって、品質と安全性を保証
「EU産オリーブオイル&日本食材 パーフェクト・マッチ! セミナー」では、「日本オリーブオイルテイスター協会」会長の長友姫世さんをモデレーターに迎え、EU6カ国のオリーブオイルのテイスティングを行うと共に、その品質を管理する認証制度や安全性についても語られました。
EU産食材の認証制度であるPDO(原産地呼称保護)やPGI(地理的表示保護)は、その土地の風土や伝統によって育まれた高品質な食材を保護する仕組みです(PDOの方がより基準が厳しい)。その意義について、駐日欧州連合代表部の小林恵さんはこう話します。
「生産者にとっては、模倣品と差別化できることが最大のメリットです。行政が監督、保護しているため信頼性が高く、GIの認証商品は、そうでない商品と比較すると、種類によっては2.5倍の付加価値がつくとされています。消費者もこのマークを見れば、特別な地域で、特別な製法で作られた、高品質な商品だと一目で判断することができる。また産地としても、エコツーリズムや美食、観光の誘致、文化遺産の保護といった波及効果が期待できます」
まさに、三方良しの仕組み。特にオリーブオイルに関しては、EUが国際オリーブ協会のメンバーであることから、流通するオリーブオイルは全て、協会の定める規定に沿って細かいカテゴリーに分類され、さらに成分分析と官能検査による等級分けがされています。ラベルには保存条件、エクストラ・バージン・オリーブオイルおよびバージン・オリーブオイルの原産地情報とオイルを得た方法も表示しなければなりません。EU産というだけで、一定以上の品質が保証されていると言えそうです。
認証の有無に限らず、トレーサビリティの確保やHACCP(ハサップ)をベースとした衛生管理も厳しく行われています。さらに昨今は、栽培から製造、包装に至るまで、持続可能な食料生産への転換が加速していると小林さんは言います。
「2019年2月、EUは、2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す『欧州グリーンディール』を発表しました。“Farm to Fork(農場から食卓へ)”という戦略のもと、2030年までに、化学農薬や有害性の高い殺虫剤の使用を50%削減、化学肥料は20%削減を目指し、有機農業の比率を全体の25%以上にすることを目指しています」
品質も味わいもストーリーも日本人のニーズにパーフェクト・マッチ!
このように品質管理を徹底し、安全性や持続可能性にも配慮して作られた食材は、日本の消費者のニーズにもマッチしていると分析するのは、スーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹」バイヤーの平出真吾さんと、食材の輸入販売を行う「プリマヴェーダ」代表の大槻浩哉さんです。
「コロナ禍で安心安全を求める声がさらに高まっています。アンケートの結果、来店されるお客様の9割がオーガニック商品を意識的に購入されていて、昨年の1.8倍の売り上げに繋がっています」(平出さん)
「未病など健康に対する関心の高まりや、若者のエシカル消費など消費者の価値観が多様化しています。EUの環境配慮への取り組みは、世代を超えた多くの人の共感を得られると思います」(大槻さん)
また、EU産オリーブオイルの大きな魅力は、その背景にある“ストーリー”だと口を揃えます。
「生産者 の方々、特にオーガニックの 作り手たちは、常に自然と向き合っています。異常気象で全く収穫できない年もある。だからこそ無事に収穫でき、その年の最初のオイルが搾油機から出てきた瞬間、彼らは歓喜し、自然の恵みに感謝します。オリーブオイルには自然と共存する彼らの思いが詰まっているのです」(大槻さん)
「日本の食文化も実に多様で、GIに登録されている食材が各地にあります。EU産オリーブオイルと日本のGI食材を組み合わせて提案し、それぞれの気候風土や文化に思いを馳せてもらうのも面白いかもしれません」(平出さん)
EU産オリーブオイルと和食との組み合わせは、日髙シェフも太鼓判を押します。
「白和えやお浸しなど葉物料理との相性は抜群です。仕上げに少し垂らすと、とてもおいしい。冷や奴や刺身、かき玉うどんや卵かけご飯にもおすすめです。EU産オリーブオイルは、味も香りも、ボトルのデザインも実に個性豊かです。何種類か食卓に置いて、食べる人が自分でかけて味の違いを感じてみると楽しいと思います」
確かな品質に加え、味わいとストーリーの多様性が魅力のEU産オリーブオイル。渡航の叶わない今、自宅にEU各国のオリーブオイルを充実させて、舌で、心で、彼の地への旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
風味穏やかなレンコンにポルトガル産オリーブオイルが寄り添う
日髙シェフ考案レシピ②「ポルチーニと蓮根のアランチーニ」
「ポルチーニと蓮根のアランチーニ」 材料と作り方
[材料] (7個分)
オーガニック発酵バター(ベルギー産)①・・・10g
イタリア米②・・・100g
ドライポルチーニ(イタリア産)③・・・10g
パルミジャーノパウダー(イタリア産)④・・・20g
E.V.オリーブオイル(PDO・ポルトガル産)⑤・・・10g
ハロウミチーズ(PDO・キプロス産)⑥・・・適量
海塩(マルタ産)⑦・・・適量
タマネギ・・・30g
鶏のブロード・・・200g
レンコン・・・120g
レンコン(スライス)・・・適量
春菊・・・適量
<衣>
デュガスチーズ(PGI・リトアニア産)⑧・・・20g
小麦粉・・・適量
卵・・・適量
パン粉・・・80g
<レンコンピュレ>
レンコン・・・100g
片栗粉・・・10g
水・・・適量
塩・・・適量
[作り方]
1 フライパンにバターを入れて溶かし、みじん切りにしたタマネギを炒める。軽く火が通ったら米を入れて軽く炒める。
2 ぬるま湯で戻して食べやすい大きさに切ったポルチーニ、戻し汁、ブロードを加えてリゾットを炊く。
3 仕上がる5分前に5㎜角に切ったレンコンを入れる。パルミジャーノパウダーとオリーブオイルを加え、塩で味を調えたら、バットに移して冷ます。
4 冷めたリゾット40gの中に角切りにしたハロウミチーズ6gを入れて丸める。小麦粉、溶き卵、デュガスチーズと混ぜ合わせたパン粉の順に衣をつける。
5 レンコンのピュレを作る。鍋にすりおろしたレンコンと片栗粉を入れ、練りながら火を入れる。水を加えて、もったりする濃度に調整したら、塩で味を調える。
6 4とレンコンのスライスを油で揚げる。
7 5のレンコンのピュレを皿に敷き、アランチーニとレンコンチップ、春菊を添える。
✓日髙シェフのオリーブオイル使いのポイント!
レンコンの味わいを引き立てる、優しい風味のポルトガル産オリーブオイルをリゾットに加えて。仕上げにかけるとフレッシュな香りが立ち、口当たりも滑らかに。別の種類のオリーブオイルで変化をつけてもよい。
◎Ristorante ACQUA PAZZA
東京都港区南青山2-27-18
AOYAMA M’s TOWER
パサージュ青山2F
☎03-6434-7506
年末年始休み、メンテナンス休業有り
東京メトロ外苑前駅より徒歩2分
https://acqua-pazza.jp/
日髙良実のACQUAPAZZAチャンネル