「テラザス レゼルヴァ マルベック」×3人のシェフによる牛肉料理 その① 生肉と煮込み、双方の味わいを深める 東京・西麻布 | カルネヤサノマンズ
1970.01.01
text by Kei Sasaki / photographs by Masahiro Goda
座談会を終えた3人のシェフが、「テラザス」のグスタボ氏に伝えた肉料理のマリアージュを店で再現。
2016年8月6日~9月5日の期間中、各レストランで、マリアージュを体験することができます。
しっかりとした果実味を持つ赤ワインには、パンチのある肉料理を合わせるのが定石だが、高山いさ己シェフはテラザス レゼルヴァ マルベックには「生肉が合う」と断言する。「カベルネ・ソーヴィニヨンのようなキリっとした赤と比べると、もっと親しみやすくて、味わいもこなれている。生肉のねっとりとした食感、舌触りは、まろやかでミルキーな雰囲気を持つこのワインにぴったりだと思ったんです」
常陸牛を使った「牛肉のタルタル」は、店がオープンして以来、オンメニューしている人気の前菜。今回、マリアージュの観点から加えたのは、柑橘の酸だ。「標高が高い畑でブドウが栽培されているので、赤ワインには珍しい、柑橘を想わせるような酸味があるんです」
甘味にコクがあり、ピュアで清涼感のあるタロッコオレンジの果汁は、ゼラチンで濃度を付けることで、生肉と食感もフィットする。酸と香りの爽やかさで、肉の食後感もすっきり。
もう1品、自身がぜひ合わせてみたかったというビーフストロガノフも用意してくれた。アルゼンチンの牛肉をイメージして噛み応えのある首肉を使い、サワークリームとレモン汁を加えて重くなりすぎない味わいに。テラザス レゼルヴァ マルベックとは濃厚さ、酸味、煮込んだ野菜の甘味などが重なる。生肉と煮込み、正反対の料理がどちらもより、味わい深くなるのだから驚きだ。
RECIPE
◎牛肉のタルタル 柑橘の香りを纏わせて
◆材料 (1皿分)
牛内モモ肉 70g
塩 適量
コショウ 適量
エシャロット(刻んだもの) 小さじ1
ケイパー 小さじ1
パルミジャーノ 小さじ1
E.V.オリーブ油 5ml
◇ソース
国産タロッコオレンジ(搾り汁) 適量
板ゼラチン 1枚
水 50ml
◆作り方
◇ソースの作り方
皿に載せた板ゼラチンに、ごく少量(戻るギリギリの量)の水を加えて戻しておく。タロッコオレンジをスクイーザーで搾り、やや食感が残るよう裏漉しする。戻した板ゼラチンを加え混ぜる。
1 牛肉を包丁でやや粗めに叩き、ボウルに入れる。
2 ①にE.V.オリーブ油以外の材料をすべて加え、しっかり合わせる。
3 仕上げにE.V. オリーブ油を回し、皿に盛り付け、ソースを添える。
◎ビーフストロガノフ
◆材料(1人前)
熟成牛ネック(※1)……150g
炒めタマネギ(※2)……大さじ1/2
マッシュルーム……4個
フォン・ド・ボー……大さじ1
バター……大さじ1
白ワイン……30㎖
サワークリーム……大さじ1
レモン汁……適量
塩、コショウ、小麦粉……各適量
※1:香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ)と一緒に1時間半~2時間茹でたもの
※2:みじん切りをオリーブオイルで約1時間炒めたもの
◆作り方
◇バターライスの材料と作り方
ベーコン5gとみじん切りにしたタマネギ、ニンジン、セロリ各10gをフライパンで炒め、しんなりしたらごはん80g、バター小さじ1を加えて炒め合わせ、塩、コショウで味を調える。
1 フライパンに炒めタマネギ、厚さ5mmにスライスしたマッシュルームを入れて炒め、フォン・ド・ボー、牛ネックの茹で汁を70ml加えて煮詰め、ベースのソースを作る。
2 茹でた熟成牛ネックをひと口大に切り、塩、コショウを振って、軽く小麦粉をまぶし、バターを熱したフライパンでソテーする。両面が香ばしくなったら白ワインを加えてアルコールを飛ばし、軽く煮詰める。
3 2を1に加え、サワークリーム、レモン汁を加えて塩、コショウで味を調える。
4 バターライスと一緒に皿に盛りつける。
◎カルネヤサノマンズ
東京都港区西麻布3-17-25
KHK西麻布ビル2F
☎ 03-6447-4829
11:30 ~ 14:00LO 18:00 ~ 21:30LO
(最終予約受付は20:30) 日曜、月曜昼休
東京メトロ広尾駅より徒歩8分