America [Point Judith]
もう、海の雑草と呼ばないで! 米国産養殖昆布
2017.08.05
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米国で広がりつつある昆布の養殖は、海と陸の環境保全を同時に視野に入れた“ブルーグリーン・エコノミー”を担う新事業として、近年注目度が上昇中。英語では“海の雑草”と認識されるseaweed(海藻)をsea vegetable(海の農産物)と呼び、健康に良い新食材、さらに農地用肥料や家畜飼料となる用途の広さをアピールしている。
「得意先のシェフは、ベーコンの代わりにローストした昆布を使ったカルボナーラを出してるよ」と嬉しそうに話すのは、ロードアイランド州初の昆布養殖許可書を2016年取得した「ポイント・ジュディス・ケルプ」オーナーのディビッド・ブレイニー氏。
2017年栽培したシュガーケルプ(樺太昆布)は、ファーマーズマーケットや地元レストランでテスト販売されているが、収穫高のほとんどは春雨のような形状のケルプ・ヌードルに加工され、Google社の食堂や大手食料品店へ卸される。日本料理の枠を超え、新しい昆布メニューを提供するレストランが米国内で増えており、「昆布は次世代のケール」との声も上がっている。
(『料理通信』2017年7月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Point Judith Kelp Co.
PO Box 3285 Narragansett, RI 02882
https://www.facebook.com/pjkelp
text by Kuniko Yasutake
photograph by David Blaney
JOURNAL / 世界の食トレンド
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