米国朝メシ最新トレンド!イングリッシュマフィン専門店の朝食サンドイッチ
America [Somerville]
2024.02.13
text by Kuniko Yasutake / photographs by Vinal Bakery(photo1,2), Kuniko Yasutake(photo3, 4)
(写真)「ヴァイナル・ベーカリー」のブレックファスト・サンドイッチ「ハム・ジャンボリー」(9.25ドル)。軽く焼いたポークハム、ブリーチーズ、ルッコラを、自家製の甘辛いレッドペッパー・ジャムとバターを塗ったイングリッシュマフィンで挟んだ。注文の際、具の交換から、目玉焼きの焼き具合、マフィンの種類とトースト加減まで、好みに応じて細かくカスタマイズできる。
国際的な大学都市ボストンとケンブリッジに隣接し、“流行に敏感な町”と呼ばれるサマヴィルの「ヴァイナル・ベーカリー(VINAL BAKERY)」は、2019年春のオープンから4年経った今でも行列ができるイングリッシュマフィン専門店。自家製マフィンを使用したブレックファスト・サンドイッチが人気で、「お気に入りを確保したいならオンライン注文がマスト」と地元客に評判だ。
ブレックファスト・サンドイッチとは一般的に、卵焼き、チーズ、肉(ハムやベーコン、ソーセージなど)をベーグルやクロワッサン、イングリッシュマフィンなどで挟んだもの。手軽に食べられるポータブルな朝食として1970年代に第1次ブームを迎え、今ではファストフード店やコンビニ、レストランでも定番メニューとして広く認知されている。だが、ヴァイナル・ベーカリーのように、6種類のイングリッシュマフィンに加え、ベジタリアンやヴィーガン対応メニューを交えた10種類の朝食サンドイッチを製造・販売している店は珍しい。さらに期間限定商品も随時提供している。
同店のイングリッシュマフィンは発酵に24時間かけ、鉄板とオーブンを使った2ステップの焼成を経て出来上がる。二つに割ってトーストすると、コーングリッツをまとったカリカリのクラストとキメの細かいふんわりしたクラムのバランスが良く、スーパーに並ぶ大量生産品とは似て非なるもの。分厚くボリュームがあるが、サンドイッチに仕上げるとバターや具材の汁気をしっとり吸収して、思いのほか軽い口当たりに仕上がる。
低糖質・高タンパク食人気とミレニアル世代の朝食離れで売り上げが下降傾向のシリアルに対し、近年着実に需要を伸ばしているブレックファスト・サンドイッチ。背景には、コロナ禍とインフレで外食を控える人々が増える中、手軽で比較的安価な朝食だけでも贅沢気分を味わいたいという消費者感情があると、2023年の食トレンドと共に米国メディアが伝えている。
奇しくもアメリカの大手ファストフード店が、終日朝食メニューを提供するドライブスルーのみのレストランを新しくチェーン展開し始めた。米国では今年も朝食ビジネスの動向に注目が集まる模様だ。
◎VINAL BAKERY
222 Somerville Ave., Somerville, MA 02143
8:00~13:00
月曜、火曜休
https://www.vinalbakery.com/
*1ドル=148円(2024年2月時点)
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