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JOURNAL / 世界の食トレンド

グレーハウンドを救え!人気ブリュワリーが保護犬の譲渡会を主催

Australia [Sydney]

2023.06.22

グレーハウンドを救え!人気ブリュワリーが保護犬の譲渡会を主催

text by Akiko Ganivet

奇抜なデザインのクラフトビールとヴィーガン料理が楽しめる、シドニー郊外のブリュワリー「ユリズ(Yulli’s)」。オーナーであるジェームズとカールは、2014年にビール醸造を始めて以来、ブリーベリーや梅干しなど個性的なオリジナルフレーバーのビールをリリースし、若者を中心に支持を得てきた。そのユリズが2023年4月、グレーハウンド犬と里親をマッチングするチャリティイベントを開催した。

ドッグレースが盛んなオーストラリアでは、グレーハウンドがレース用に飼育されているのだが、かつて、レースに不適格とされた後に殺処分されるグレーハウンドが毎年1万頭以上いると報じられ、オージーの間では同情の声が高まっていた。

グレーハウンドは、性格はジェントルだが体が大きいので、都市部住まいでは触れ合う機会が少ない。そこでブリュワリーのリラックスした雰囲気の中で、それぞれの家庭環境とマッチする犬を探すのだ。ただし、当日はお酒を飲んでいるためその場で譲渡されることはなく、後日メールなどで連絡を取り合うという。これまで、3年間に年数回の譲渡会を行い、順調に保護先も見つかっている。

4月のイベントも大成功。ビールを頼んだら自分の好きな金額を払う、最近オーストラリアのパブで見られる「カルマ・ケグ」というドネーション方法で900豪州ドルを集めた。売り上げは、グレーハウンドを助けるチャリティ団体に寄付される。

(写真トップ)レース用に飼育されたグレーハウンドは、時にひどい扱いを受けることがあることが判明し、ニューサウスウェールズ州ではかつて、ドックレースが禁止寸前になったことも。


(写真)ユリズは倉庫のような醸造所兼レストランで、サルサやジャズナイトの他、セラミック置物作り体験など様々なイベントを催している。飼い犬との来店も推奨しているので、譲渡会を開催するのはお手のもの。以前ユリズで保護したグレーハウンドを連れてイベントに参加する客も。

(写真)ユリズは倉庫のような醸造所兼レストランで、サルサやジャズナイトの他、セラミック置物作り体験など様々なイベントを催している。飼い犬との来店も推奨しているので、譲渡会を開催するのはお手のもの。以前ユリズで保護したグレーハウンドを連れてイベントに参加する客も。

(写真)ユリズの一番人気は「シーバス・メディテレニアン・ラガー」(写真下中:375ml、24缶で70豪州ドル)。豪州産の麦と小麦とさっぱりしたニュージーランド産ホップの味わいが口に広がる飲みやすいラガー。

(写真)ユリズの一番人気は「シーバス・メディテレニアン・ラガー」(写真下中:375ml、24缶で70豪州ドル)。豪州産の麦と小麦とさっぱりしたニュージーランド産ホップの味わいが口に広がる飲みやすいラガー。



◎Yulli’s Brews
75a Burrows Road, Alexandria, NSW 2015
12:00〜24:00(水曜〜22:00、木曜〜23:00、日曜〜21:00)
月曜、火曜休
https://www.yullisbrews.com.au/

*1豪州ドル=89円(2023年5月時点)

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