Belgium [Bruxelles]
スーパーが試みる“環境に配慮した包装”
2017.07.10
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農薬、プラスチック、合成洗剤などに含まれる有害物質の排出により、環境汚染が問題化されて久しい。2017年のダボス会議では、海には年間800万トンのプラスチックが漂い、このまま行けば2050年には魚の数よりプラスチックごみの量が上回るとの報告もある。
大手スーパー「デレーズ」は、ごみの発生を抑える手段の一つとして、ビオの野菜と果物に直接ラベルを打つ手段を考案した。レーザーで文字やロゴを青果の表面に刻印するためどんな包装も必要としない。また本体の質や風味、香りを損なうことはなく、安全性も高い。皮が柔らかいトマトなど採用には限界はあるが、カボチャ、バターナッツカボチャ、ズッキーニなど20種類に採用されている。
包装用の糊、インク、紙などは不要、ラベルがはがれることもない。短時間で刻印できるので梱包時間や経費の削減にもなる。2017年夏から開始し、目標は年間13トンのゴミの縮小。「環境に配慮した包装とは、包装しないこと」という、消費者の意識を変える発信にはポジティブな反応が多い。
(『料理通信』2017年6月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Delhaize
text & photograph by Maki Miyazaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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