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2020年春、パリのパティスリー界で注目を集めたのは、「ラ・メゾン・デュ・ショコラ(以下ラ・メゾン)」がピエール・エルメをゲストに招いた、初のコラボレーション。生クリームなどの動物性油脂や小麦粉を排した2種類のヴィーガンパティスリーを、期間限定で発売した(現在販売終了)。
エルメが「ラ・メゾンのボンボンで一番好き」というカシス風味ガナッシュから発想し、チョコレートのムースにカシスのジュレ、カシスの芽の粉末を香らせたサブレなどを合わせた「フルール・ド・カシス」と、バラの香りのミルクチョコレートのガナッシュに、バラとアーモンドのプラリネなどを重ね、チョコレートとバラという両メゾンを象徴する風味を融合させた「ローズ・デ・サブル」(各10ユーロ)。
いずれも、ラ・メゾンが2年前に発表したヴィーガンショコラを気に入ったエルメが、ヴィーガン仕様の菓子に活かしたいと試行錯誤を重ねた力作だ。前代未聞の限定コラボに、パリのスイーツラヴァーは大喝采。新たなコラボも期待される。
(『料理通信』2020年6月号/「ワールドトピックス」より)
◎ La Maison du Chocolat
www.lamaisonduchocolat.fr
◎ PIERRE HERMÉ PARIS
www.pierreherme.com
text by Yukino Kano
JOURNAL / 世界の食トレンド
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