Germany[Berlin]
“肉税”導入の提案に、ドイツ中が震撼!?
2019.12.16
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減少傾向にあるものの、ドイツの食生活における肉の割合はいまだ大きい。しかし最近では環境への配慮から、国主導で肉食の節制が勧められており、その一環として「肉税」の導入が提案され、ドイツ中に大きな論議を巻き起こしている。
2019年10月現在ドイツの消費税率は、肉をはじめとする食料品や日用品など生活必需品は7%、他は19%。ドイツ連邦環境庁は、肉にも19%の税金を課すことで、肉の過剰消費にブレーキをかけようと提案しているのだ。
一方で、その有効性や税金の使い道には疑問が呈されている。近年ドイツでは肉の価格を抑えるための極度な密飼いなどの問題が指摘され続けてきた。その状況を改善し、家畜と環境に配慮した農法に切り替えるための補助金に、この「肉税」を使うという案もある。
しかし、その場合オーガニックの肉の税率は上げる必要はないのでは?という指摘や、貧困家庭への打撃になるという懸念も。そもそも、食べる量を減らすのに税金が必要なのか? 肉食減少への道のりは遠そうだ。
(『料理通信』2019年11月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Umweltbundesamt
ドイツ連邦環境庁のサイトより「なぜ、肉が安過ぎるのか?」
www.umweltbundesamt.de/themen/warum-fleisch-zu-billig-ist
text & photograph by Hideko Kawachi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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