Germany[Berlin]
コロナ禍を経て、ドイツ人の食肉意識は変わるか?
2020.11.12
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4月、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の緩和が進むドイツに衝撃が走った。ドイツ西部の食肉加工工場で、1000人を越す集団感染が確認されたのだ。国内の肉市場で3割のシェアを占める大規模工場に捜査が入り、外国人労働者を搾取する劣悪な労働環境が明るみに出た。
農家の豚肉1kgあたりの販売価格は平均1.48ユーロ、店頭価格平均は6.27ユーロという、ドイツの食肉の価格設定の背景が明らかになり、ここ数年環境保護の観点から進んでいたドイツ人の肉離れに拍車がかかっている。「ビヨンド・ミート」など植物性代用肉の売り上げは昨年比で37%増*。
19世紀から続く北ドイツの老舗食肉加工品メーカー「リューゲンヴァルダー・ミューレ」は、ヴィーガンの挽き肉やソーセージ、レバーペーストなどの商品開発に着手し、5月にはドイツ各地の畑、50ヘクタールで大豆の自社栽培も始めた。“肉を使わない肉食品”には懐疑的な見方もまだ強いが、今後、大きく成長していきそうだ。
*連邦統計局調べ
(『料理通信』2020年11・12月合併号/「ワールドトピックス」より)
◎ Rügenwalder Mühle
www.ruegenwalder.de
text & photograph by Hideko Kawachi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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