Italy [Milano]
元研究者が手掛ける“小さくて強い”パン屋
2018.08.09
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女性ひとりで切り盛りする小さなパン店「レ・ポルヴェリ」が、2017年末、ミラノ市内サンタ・アンブロージュ地区にオープンした。オーナーのアウローラ・ザンカナーロさんは31歳、ヴェネチア大学で化学を学び、3年間の研究員経験を持つ異色の経歴。
パンの発酵に興味を持ったのは、大学の講義からという。店では各地の小規模な製粉所から古代品種や地元特有の個性を持つ粉を厳選し、パスタ・マードレ(自家製酵母)を用い、長時間低温発酵のパンを焼く。たとえば硬質小麦の二度挽き粉で作るアルタムーラは、ミキシングした生地を3時間休ませ、分割して30分後、布を被せた木製の型で7~8℃で一晩発酵させる。
店頭にはフォカッチャやチャバッタ、バゲットの他、ドライフルーツやシード入りのパン(写真)、クッキー類も並び、かわいらしいカラフルなヘルメットを被った女性が、自転車でレストランにも配送する。長時間発酵のパンは日持ちも消化にもよく、第一おいしいと、月を追うごとに客も増え、売り上げも右肩上がりだ。
(『料理通信』2018年7月号/「ワールドトピックス」より)
◎ micro panificio Le Polveri
Via Ausonio, 7 20123 Milano
☎+39-328-9680719
9:30 ~13:00、16:00~19:30
日曜、月曜午前休(夏季)
シード入りパン 12ユーロ/1kg
www.lepolveri.comtext & photograph by Yuko Suyama
JOURNAL / 世界の食トレンド
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