Norway [Oslo]
海藻ビジネスは“第二のサーモン”となるか?
2019.09.06
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ノルウェーでは食べ物として認識されていなかった海藻。かつては海賊の保存食で、今でも高齢者は“羊のエサ”と思っているそうだ。最近でこそスーパーでワカメが売られ、食や音楽のフェスでは“未来食”として乾燥海藻が紹介されるようにはなったが、海藻ビジネスでは後進国だ。
2016年、北極圏ロフォーテン諸島で2人の女性が立ち上げた「ロフォーテン・シーウィード」は、美しいデザインのパッケージが印象に残る海藻加工メーカー。使い方がわかりにくい海藻を、ふりかけ風調味料やチョコレートなど食べやすいように工夫する。海藻が注目されるようになった背景には、栄養価だけではなく肉食を減らそうというエコ意識の高まりも関係する。
「都市の人や若者が海藻食に興味を持ち始めた。海岸線が長い国ならではの豊富な資源を使わないのはもったいない」と代表のシンガー氏は語る。サーモンの養殖では高い成功を収めてきたノルウェー。“新しい資源”海藻をいかにしてビジネスにつなげるか。まだ一歩踏み出したばかりだ。
(『料理通信』2019年8月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Lofoten Seaweed
ふりかけ風調味料 139~159ノルウェークローネ
海藻入りチョコレート 89ノルウェークローネ
https://lofotenseaweed.no/
text by Asaki Abumi
photograph by Lofoten Seaweed
JOURNAL / 世界の食トレンド
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