Peru[Lima]
国民の健康を守る八角形の加工食品警告表示
2019.12.19
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ペルー保健省による加工食品への警告表示が義務化された。これにより2019年6月17日以降、基準値を超える塩分と糖分、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸を含む製品は、パッケージ上に黒い八角形のマークを表示しなければならなくなった。
トランス脂肪酸には「摂取を避けること」、他の3成分には「過度の摂取を避けること」との注意書きがそれぞれのマークの下部に併記される。偏食気味の食生活を送りがちなペルー人は、15歳以上の約60%が過体重もしくは肥満に分類されている*1。
今回の制度は、国民の視覚に訴えることで糖尿病や心臓病の原因となる肥満を減らそうという政府の試みだ。発効1カ月後の調査では、64%がこれらの商品の消費を抑えるようになったと回答*2。今回は見送られた外食産業への適用についても、今後の取り組みが期待されている。
八角形の加工食品警告表示は隣国チリでも実施されており、現在ウルグアイでも導入が進められている。ラテンアメリカに国民の健康を守る動きが広がりつつある。
(『料理通信』2019年11月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Octógonos de advertencia
ペルー保健省のサイト
*1 ペルー国立衛生研究所・国立食品栄養センター調べ
*2 Datum Internacional社(国際リサーチ・コンサルティング企業)調べ
www.gob.pe/minsa
text & photograph by Keiko Harada
JOURNAL / 世界の食トレンド
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