Peru[Lima]
アンデス数千年の歴史が詰まったコカの葉の蒸溜酒
2020.05.11
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1949年創業の「エナコ」は、国内の合法コカ農家が栽培するコカの葉と副産物の商業化を担う、ペルーで唯一の国営コカ企業。
アンデス世界で数千年にわたり神々や祖先に捧げられてきたコカの葉は、その歴史的・伝統的背景からペルーでは合法的に扱われ、消化促進や疲労回復効果への期待のみならず、数種類のビタミンやミネラルを含むナチュラルハーブとしても人気が高い。
そんな中、コカ茶を始め、国内向けにコカとハーブをブレンドしたティーバッグや粉末コカなどの製造販売を手がけてきたエナコが、2019年9月にリマで開催された食品エキスポで、コカの葉の蒸溜酒「キントゥ」を発表した。無色透明でアルコール度数は40度。ジンに似た切れ味の良さを持ち、カクテルベースの他、食後酒としても良い。
コカ独特の風味や栄養素を残しつつ、コカインの原料となるアルカロイド成分を除去することで輸出への道も開けた。先の食品エキスポを機に、現在ロシア、ドイツ、北・中央アメリカのバイヤーとの商談が始まっている。
(『料理通信』2020年5月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Empresa Nacional de la Coca S.A. (Enaco)
Av. Universitaria 602, Urb. Pando, San Miguel, Lima
☎+51-01-263-7219
キントゥ 40 ソレス/500ml
www.enaco.com.pe
text by Keiko Harada
JOURNAL / 世界の食トレンド
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