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RECIPE

“ワサビ × 醤油”からの脱却「カンパチのタイ風刺身」

ブルーフード・レシピ

2024.05.16

photographs by Shinya Morimoto

連載:ブルーフード・レシピ

海に囲まれ、豊かな漁場を有する日本には魚食文化が根付いています。魚を食べるなかで培われ、受け継がれてきた知恵や知識を継承し、上手に食べることは、多様性豊かな海の保全につながります。日本周辺でとれる水産物(ブルーフード*)の魅力を再発見するレシピを人気店のシェフに教わります。今回はスーパーの刺身パックを使ったレシピ。簡単にタイ風にアレンジする技をご紹介します。

*ブルーフードとは、淡水・海洋環境に由来する植物、動物、藻類など水生生物性食品のこと。食料危機や気候変動などの課題に対応し、健康的で持続可能な食料システム構築への貢献が期待されている。
**日本の漁獲量ランキング(農林水産省:令和3年漁業・養殖業生産統計)
1位マイワシ(21.1%)、2位サバ類(13.7%)、3位ホタテガイ(殻付き)(11.0%)、4位カツオ(7.6%)、5位スケトウダラ(5.4%)、6位カタクチイワシ(3.7%)、7位ブリ類(2.9%)、8位マアジ(2.8%)、9位マダラ(1.8%)、10位サケ類(1.8%)。

目次






教えてくれた人:「Chompoo」森枝 幹さん

豪州「Tetsuya's」、京料理「湖月」、分子ガストロノミー「タパス モラキュラーバー」などで働いた後、2014年に「Salmon & Trout」のシェフに。2019年にタイ料理「Chompoo」を開店。「食文化の価値体系を拡げる」べく、シェフ活動を旗艦に、店舗プロデュースや社員食堂の監修、未利用魚の商品開発など精力的に活動。2023年10月、東京・代官山にオープンした次世代に向けて新しい食文化づくりに挑戦する「日本食品総合研究所」の所長に就任。


柑橘×香菜×魚醤でタイの味に

魚を食べたい。でも近所に魚屋がなく、新鮮なものが手に入りにくいという人も多いはず。調理が難しそう、生ゴミが増えて面倒・・・そんな後ろ向きな考えも頭をよぎる。世界の魚食文化に詳しい森枝幹さんなら、スーパーの魚をどんなふうに料理するのだろう? 簡単においしく食べる方法を教わった。

たとえば刺身パック。「捌かなくていいし、生ゴミも出ない。魚に苦手意識がある人にとっては手を出しやすいアイテムではないでしょうか」。何も考えなければワサビ醤油だが「養殖物だと、餌の関係で時に脂のくどさが気になることも。天然物が選べるといいけれど、難しい場合も多いでしょう。それを想定してさっぱり食べられるレシピにします」

ハーブや唐辛子、ナンプラー、ライム、煎り米粉で魚を和えるタイの「ラープ」や、エビの刺身を香菜やナンプラーで食べる「クンチェ」をヒントにした簡単アレンジだ。「香菜とレモン、ニンニクと柚子胡椒を混ぜたソースを添えるだけ。どれも、スーパーで手に入れやすい材料でできます」。野菜もハーブもたっぷり採れる、爽やかな前菜の一皿だ。

今の生活スタイルに合わせて、魚料理も上書きが必要だ。発想を柔軟に、魚食生活を無理なくアップデートさせよう。

「カンパチのタイ風刺身」材料と作り方

[材料](1皿分)
カンパチの刺身・・・6~8切れ

A
香菜・・・1束
レモン果汁・・・1個分(60ml)
柚子胡椒・・・大さじ1
ニンニク(皮を剥く)・・・1片
白コショウ・・・1つまみ

B
ミント、つまみ菜、赤タマネギ(スライス)・・・各適量

[刺身のアレンジ術]

「生」をおいしく食べる“ラープ”
強めの酸味や辛味がぶつかることで、生魚の臭みを消しつつインパクトが生まれる。和の刺身とは違ったタイの人々の知恵。

大葉やツマの代わりにミント!
ミントや香菜といったハーブは、もともと生魚と相性よし。サラダを食べるような感覚で、ふんだんに取り入れたい。

[作り方]
[1]塩をする
カンパチは軽く塩をし、浮いてきた水分をペーパーで拭う。

[2]ソースをつくる
をミキサーでペースト状にする。
POINT:タイ風ハーブソースは作り置きが可能。白身魚にもよく合う万能選手。

[3]盛り付ける
皿にを散らし、を丸めてのせ、をかける。

脂ののったカンパチは爽やかでピリッと辛いソースと相性抜群。ミントなどたっぷりのハーブや野菜と一緒にサラダ感覚で。


東京・渋谷「チョンプー」の店舗情報


◎Chompoo(チョンプー)
東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷パルコ4F
☎03-6455-0396
平日11:30~15:00、17:00~22:00LO
土日祝日11:30~22:00LO
不定休(パルコ休館日に準ずる)
各線渋谷駅より徒歩6分
Instagram:@chompoo_shibuya

(雑誌『料理通信』2020年4月号掲載)

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