夏の常備菜に手放せない、エナジードリンク「ガスパチョ」
プラントベースの始め方32
2023.07.10
![夏の常備菜に手放せない、エナジードリンク「ガスパチョ」プラントベースの始め方](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-1.jpg)
photographs by Hideo Sawai
連載:プラントベースの始め方
健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。
※本記事でご紹介する「ガスパチョ」は、トッピングに動物性食材であるウズラの卵を使用しています。スープのレシピをヴィーガンレシピとしてお楽しみください。
教えてくれたシェフ
東京・赤坂見附「ビキニ」ジョセップ・バラオナ・ビニェス さん
![ジョセップ・バラオナ・ビニェス さん](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-2-1.jpg)
故郷スペインで料理の基本を学んだ後、91年来日。スペイン大使館観光局の仕事などを経て、97年、東京・内幸町に「エル・パティ・ディ・バラオナ(現在閉店)」を独立オープン。その後、新宿「小笠原伯爵邸」の総料理長などを経て、現在はアトリエ 「L’estudi レ・ストゥディ」を主宰。「BIKINI ビキニ」をはじめとする店舗プロデュース、セミナー、ケータリングなど多方面で活躍中。
空気を含ませて、ふわふわの口当たりに
トマトで水分を、ニンニクやタマネギで力を、パンで空腹を補うヘルシーなスーパードリンク、「ガスパチョ」。夏の暑さで食欲が落ちたときでも食べられる冷製スープで、まるでなめらかなスムージーのようなふわふわの舌触りとトマトの酸味で、いくらでも喉に滑りおりる。赤坂「ビキニ」で提供するのはレストランスタイルのガスパチョだ。細やかな工程が、完成度を左右する。
ポイントは2つ。トマトやキュウリ、パプリカなど、切った野菜をオリーブ油と塩でマリネしたら一晩寝かせること。「寝かせることで、素材の風味が馴染んで一体になります」と、ジョセップ・バラオナ・ビニェス シェフ。
翌日はハンドミキサーで撹拌し、さらにジューサーミキサーでも撹拌する。「液体に空気が入り、クリーミーな舌触りが生まれます」。空気が含まれているかどうかは液体がピンク色に変わることが目安。
その後、シノワで丁寧に漉して、トマトの種の部分や余計なパン粉を取り除く。シェリービネガーで味を調えて、仕上げに再度ハンドミキサーにかければ出来上がり。
<植物性食材だけでおいしくなるコツ>
1 マリネした野菜は、一晩寝かせて味を馴染ませる
2 ハンドミキサーとジューサーミキサーの二段使いで空気を含ませる
3 提供前にもう一度ハンドミキサーで回してふわっとした口当たりに
「ガスパチョ」の作り方
[材 料(作りやすい分量)]
トマト(熟したもの)・・・2.5kg
キュウリ・・・1/2本
ニンニク・・・3粒
パプリカ(赤)・・・1個
タマネギ・・・1/2個
バゲット・・・100g
E.V.オリーブ油・・・適量
塩・・・大さじ3
シェリービネガー・・・小さじ2
![材 料](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-3.jpg)
[1]硬くなったバゲットを切る
![硬くなったバゲットを切る](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/04.jpg)
硬くなったバゲットを使う。焼き色の強いところは落とし、一口大に切る。ボウルに入れる。
[2]キュウリ、ニンニクを切る
![キュウリ、ニンニクを切る](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-5.jpg)
キュウリは皮を少し残して剥き、1cmの輪切りに、ニンニクは皮を剥いて芽を取り、3等分に切る。ボウルに入れる。
[3]タマネギ、パプリカを切る
![タマネギ、パプリカを切る](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-6.jpg)
パプリカは種と一緒に中をきれいに掃除して、1cm角に切る。タマネギは1.5cm角に切る。ボウルに入れる。
[4]トマトを切る
![トマトを切る](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-7.jpg)
トマトは一口大に切る。ボウルに入れる。
[5]塩とオリーブ油で和える
![塩とオリーブ油で和える](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-8.jpg)
塩を大さじ3ふり入れ、オリーブ油を2~3回まわしかける。
[6]ボウルを振って馴染ませる
![ボウルを振って馴染ませる](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-9.jpg)
ボウルを両手で持って全体を返しながら、塩とオリーブ油を具材にまわす。
[7]ラップをして一晩寝かせる
![ラップをして一晩寝かせる](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-10.jpg)
ラップをかけて冷蔵庫で一晩マリネする。写真はマリネ後の状態。
[8]ハンドミキサーで撹拌する
![ハンドミキサーで撹拌する](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-11.jpg)
ハンドミキサーで7を液体状になるまで回す。
[9]ジューサーミキサーで撹拌する
![ジューサーミキサーで撹拌する](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-12.jpg)
さらになめらかにするため、ジューサーミキサーに移して回す。
[10]ピンク色が目安
![ピンク色が目安](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-13.jpg)
空気をたっぷり含み、液体は赤からピンク色に変わる。
[11]漉す
![漉す](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-14.jpg)
漉し器に移して、トマトの皮や種、パンの端っこを取り除く。
[12]ビネガー、塩で味を調える
![ビネガー、塩で味を調える](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-15.jpg)
シェリービネガーを加え、必要なら塩も加えて味を調える。再びハンドミキサーでまわしてから器に盛って、E.V.オリーブ油をまわしかける。
![完成。トッピングの揚げパンはトマトとのコントラストを印象づける。 ※写真では、トッピングに動物性食材であるウズラの卵を使用しています。](https://r-tsushin.com/wp-content/uploads/2023/07/plantbased_recipe_32-16.jpg)
完成。トッピングに揚げパンをのせると、トマトとのコントラストを印象づける。
※写真では、トッピングに動物性食材であるウズラの卵を使用しています。
◎モダン・スパニッシュ・バル ビキニ 赤坂店
東京都港区赤坂5-3-1赤坂サカス内Bizタワー1F
☎03-5114-8500
11:00~14:30LO
17:00~20:00LO(ディナーコース)21:00LO(魚、肉料理、パエリア)21:30LO(ドリンク)
不定休
東京メトロ赤坂駅より徒歩1分
https://www.four-seeds.co.jp/brand/bikini/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2015年7月号掲載)
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