手でポイポイつまめる「スパイシーヒヨコ豆」
フェーズフリーな食材レシピ:ヒヨコ豆
2024.03.07
photographs by Masahiro Goda
乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回は乾燥ヒヨコ豆を使ったスパイシーな南インドのつまみを教わります。
目次
常備したい食材:乾燥ヒヨコ豆
教えてくれた人:「大岩食堂」店主 大岩俊介さん
1978年生まれ。イタリアンやカフェ店長を経て2011年スリランカへ。一般家庭で料理を習う。帰国後「エリックサウス」入店。八重洲店店長を経て、2015年独立。南インドカレーや、旬の食材とスパイスを使った小皿料理を提供する現店をオープン。自家製スパイシーレモンサワーやクラフトビール、自然派ワイン、純米酒などアルコール類も充実している。
スパイスを炒りながら絡める
本格的な南インドのミールスで知られる西荻窪「大岩食堂」。店主の大岩俊介さんは、「夜の小皿料理は、和食店やイタリアン、酒場など、他ジャンルの店からヒントを貰うことが多い」と言う。手でポイポイと口に運べる突き出しにもってこいのスパイシーヒヨコ豆は、レシピは完全に南インド料理だが、なんと和食の「浸し豆」から発想した。
「これいいなと思ったら、そのまま倣うのではなく『僕なら=南インド料理店ならどうするか』を考え、組み立て直します」。作り方のポイントは、パウダースパイスを仕上げにただ振るのではなく、香味野菜とホールスパイスを油で香ばしく熱してから、その油の中で豆とスパイスを炒るように絡めていくこと。「豆の水分が程よく飛び、表面がパリッとしてくれば頃合いです」。
「スパイシーヒヨコ豆」材料と作り方
[材料](作りやすい分量)
ヒヨコ豆・・・200g
塩(下茹で用)・・・適量(目安6~8g)
水・・・適量(目安1200~1500ml)
油・・・少量
塩(仕上げ用)・・・少量
【煮出し用スパイス】
クミンシード・・・小さじ1(4g)
ショウガ(みじん切り)・・・5g
青唐辛子(小口切り)・・・1/3 本分
カレーリーフ・・・1枝
【仕上げ用スパイス】
コリアンダーパウダー・・・小さじ1(4g)
クミンパウダー・・・小さじ1(4g)
ターメリック・・・小さじ1/2(2g)
パプリカ・・・小さじ1/2(2g)
カシミールチリ・・・小さじ1/2(2g)
フェヌグリークパウダー・・・小さじ1/2(2g)
ブラックペッパーパウダー・・・小さじ1/2(2g)
※小さじはティースプーンで計算しています。
[作り方]
[1]ヒヨコ豆を戻す
ヒヨコ豆は1晩たっぷりの水に浸す。
[2]ヒヨコ豆を茹でる
戻し汁ごと火にかけ、塩を加えてやわらかくなるまで茹で、ザルに上げる。
[3]テンパリング
鍋に油を引き、クミンを入れ、中火で加熱する。
[4]煮出し用スパイスを加える
プチプチと弾けたらショウガ、青唐辛子、カレーリーフを加える。
[5]ヒヨコ豆を加える
ジュワーッと泡立ち、キツネ色に色付いたら、ザルに上げておいた2を加える。
[6]炒める
豆の表面が白く色づくまでじっくり中弱火で炒める。
[7]仕上げ用スパイスを入れる
仕上げ用のパウダースパイスを投入し、豆に香味を吸わせるように更にじっくり炒め絡め塩で(心持強めに)味を調える。
[8]完成
スパイシーでビシッと塩気が決まっていて、ついつい後を引く。
東京・西荻窪「大岩食堂」の店舗情報
◎大岩食堂
東京都杉並区西荻南3-24-1 西荻マイロード内
☎ 03-6913-6641
11:30~14:30LO
18:00~21:00LO(水~土曜)
日曜休
JR西荻窪駅より徒歩2分
Instagram:@oiwashokudo
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
*フェーズフリー(Phase Free)は、防災の専門家として活動を続けてきた佐藤唯行氏が2014年に提唱した考え方。
(雑誌『料理通信』2019年8月号掲載)
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