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JOURNAL / 世界の食トレンド

チーズ文化を後世に伝えたい。サン・ルイ島にフランス初のチーズ博物館誕生!

France [Paris]

2024.08.13

チーズ文化を後世に伝えたい。サン・ルイ島にフランス初のチーズ博物館誕生!

text by Sakurako Uozumi
(写真)博物館は3つのエリアに分かれている。教育エリアには代表的なチーズが展示され、専門家から直接レクチャーを受けることができる。photo by Sakurako Uozumi

2024年6月、セーヌ川に浮かぶサン・ルイ島にフランス初のチーズ博物館「ミュゼ・デュ・フロマージュ(Musée du Fromage)」がオープンした。チーズ専門家が集結するパロール・ドゥ・フォマジェ(Paroles de Fromagers)社のプロジェクトで、チーズ文化の継承が目的だ。

「昨今、若者のチーズ業界への関心が低下する中で、チーズ職人という仕事の魅力を次世代に伝えたい。そしてフランスの豊かなチーズ文化の奥深さとその可能性を知ってもらい、新世代の職人にインスピレーションを与えたいのです」と代表のピエール・ブリッソン氏は語る。

300平米の施設内は3つのエリアに分かれている。パネルや映像を用いてチーズの歴史やフランス全国のチーズの特徴を紹介する展示ギャラリー、製造過程やチーズ作りの実演をみせる教育エリア、フランス全国のチーズを厳選したショップも備えている。


博物館を運営するパロール・ドゥ・フォルマジェ社は、チーズ文化と匠の技の継承を目的に作られた。サン・ルイ島の博物館は、構想15年、2年の歳月を経て完成した。
(写真)博物館を運営するパロール・ドゥ・フォルマジェ社は、チーズ文化と匠の技の継承を目的に作られた。サン・ルイ島の博物館は、構想15年、2年の歳月を経て完成した。photo by Musée du Fromage
展示ギャラリーには、フランスのチーズ文化を紹介するコーナーも。1960年代の映像やチーズ作りの道具が展示されている。
(写真)展示ギャラリーには、フランスのチーズ文化を紹介するコーナーも。1960年代の映像やチーズ作りの道具が展示されている。photo by Sakurako Uozumi

見学はチーズ専門家による英語か仏語の解説つきで、1時間かけてチーズ作りの全工程を順に追って学んでいく。チーズ製造のデモンストレーションや試食タイムもあり、視覚だけでなく味覚でも楽しめる。

パリのど真ん中においてフランスのテロワールとチーズ文化を深掘りできる新スポットとして、注目を集めている。

チーズ作りのデモンストレーションは、日によってチーズの種類が変わる。この日はモッツァレッラチーズを製作中。
(写真)チーズ作りのデモンストレーションは、日によってチーズの種類が変わる。この日はモッツァレッラチーズを製作中。photo by Sakurako Uozumi

シテ島と共に“パリ発祥の地”とされるサン・ルイ島の中心地に位置する。パリ10区にあるパロール・ドゥ・フォルマジェ社のアトリエでは、ワークショップやチーズ講座を開催し、若手の育成に努めている。
(写真)シテ島と共に“パリ発祥の地”とされるサン・ルイ島の中心地に位置する。パリ10区にあるパロール・ドゥ・フォルマジェ社のアトリエでは、ワークショップやチーズ講座を開催し、若手の育成に努めている。photo by Musée du Fromage

◎Musée du Fromage
39 Rue Saint-Louis en l’Île 75004 Paris
大人 20ユーロ、12〜17歳 17ユーロ、5〜11歳 13ユーロ
https://musee-fromage-paris.com/en/ (予約&チケット購入)

*1ユーロ=160円(2024年8月時点)

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