「料理を前進させる」
レストランテ・アコルドゥ 川島 宙 Hiroshi Kawashima
2014.10.01
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店名
restaurante gastronomico akordu/レストランテ・アコルドゥ
2008.6.15 open レストランテ・アコルドゥのページを見る
1971年8月19日生 / 東京都出身 / B型
91年、辻調理師専門学校卒業。「ホテル西洋銀座」(2年)、ホテルオークラ東京「オーキッドルーム」(1年半、サービス担当)、「エプヴァンタイユ」(1年半)、「レストラン麻生ガーデン」(4年)、「シャトー・ヴァン・デ・バー」(2年)、「京都センチュリーホテル」(4年半)での修業を重ね、04年、スペインへ。「ムガリッツ」で(約半年)、モダンスパニッシュを学ぶ。08年、現店をオープン。
FAVORITE
音楽 : 強いて言うなら浜田省吾
本 : サンセバスチャンの書店で購入した『bacalao』、『銀河鉄道の夜』、村上春樹
映画 : 『イングリッシュ・ペイシェント』『トロン:レガシー』
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水面の月、スミレの海
夜7875円のデセール
店の庭先のスミレやパンジー、レモングラスから、エキス分を抽出し、シロップと合わせた“夜の海”。映る月はオレンジのジェラートだ。砂浜は炭砂糖、雲は奈良産ハッサクを使用。「フェードアウトで夜を終わらせたい」と食味はあえかで儚い。
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アントシアニンを含んだ赤真菜、そばとビールの畑、牛蒡
夜7875円のコースの一品
大和真菜の根の部分まで揚げ焼いた。カリッ、ペタッの2種の食感に作り分けたスポンジケーキはあえて塩気をぼかし、根の香りの輪郭を際立たせる。「土の料理をよく考える」というシェフが、雨の畑で得た着想を表現している。
必要とされるためのキーワード
おいしさ以上の表現を深める。
おいしさ以上の表現を深める。
- 「おいしい料理を作れる人は多くいる。僕はその先へ行きたいんです」と川島 宙シェフは言う。奈良中心部から数駅離れた住宅地にモダン・スパニッシュを持ち込んだ彼が今語るのは「おいしさを純粋に追求するフレンチを絶対音楽にたとえるなら、僕は標題音楽。テーマ性のある料理に、より没入していきたい」。
たとえば奈良野菜の大和真菜。「食材の全体像や、その一生に思いを馳せてほしい」と、土を模したスポンジ生地を周囲に散らし、丸ごと供する。通常食べる葉に加え、根の味わい深さに気づかされる一品だ。
「40 歳を過ぎて、誰が作ったかわからない料理ではダメだと思う」。そのために、音楽のように食べ手の感性を刺激する表現を、料理においても磨きたい、と切磋琢磨する。作り手のイメージと、表現される具象。形のない音楽と比べて、形ある料理はかえって抽象的な思索を呼ぶ。そんな刺激的な時間こそ、レストランには不可欠と川島さんは考えている。
text by Takuo Kawamiya / photographs by Kazunori Ogoshi
レストランテ・アコルドゥ restaurante gastronomico akordu 奈良県/富雄 レストランテ・アコルドゥのページを見る
住所 | 奈良県奈良市富雄北1-1-1 |
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電話番号 | 0742-43-0222 |
営業時間 | 11:30〜13:00 LO 18:00〜20:00 LO |
定休日 | 月曜休 |
カード | 可 |
座席 | 全40席(うちテラス12席) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 近鉄奈良線富雄駅西口すぐ |
URL | http://www.akordu.com |
備考 | 昼3675円 夜7875円、10500円 【WINE】グラス白赤各2種683円〜、ボトル3360円〜 |
- 「2012年02月クリエイション魂」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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