HOME 〉

NEWS

【7/31(金)まで】真夏のシャルロットは“桃”が香る!「ダイナースクラブ フランス パティスリー ウィーク」

2026.07.29

貴婦人の帽子を模したと言われる、フランス菓子の古典「シャルロット」。ビスキュイ・ア・ラ・キュイエールで周囲を囲み、中身はパティシエの自由に委ねられる。
その構造ゆえに、作り手の思想がもっとも露わになる菓子ともいえる。

国内最大級のフランス菓子イベント「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2026」が、2026年7月31日(金)まで開催中。6回目となる今年のテーマは「シャルロット」。全国から過去最多の488店が参加し、テイクアウトのプティガトーからイートインのデセール、カフェ/ラウンジのメニューまで、多彩なスタイルで提供されている。会期はいよいよ残り3日だ。

目次






桃が主役の夏のシャルロット

今年の顔の1つとなったのが、旬真っ盛りの桃。5月のプレス発表会で登壇したパティシエのうち、3名が桃を選んだ。

「Patisserie Plaisiraile」石渡 未来シェフの「シャルロット・オ・ペッシュ」

パリのショコラトリー、パティスリーで7年修業し、今年1月に自店を開いたPatisserie Plaisiraile(パティスリー プレジレイル・代沢)の石渡 未来シェフが手がけた「桃のシャルロット」。ジュレにフランス産赤桃のピュレ、ムースに同じく白桃のピュレを用い、「暑い季節でもさっぱりと召し上がれるよう、軽めの味わいに」。トップに国産のフレッシュな桃を飾る。素材の個性を立たせるためにあえて構成をそぎ落としつつ、単調にならないようレモンとフランボワーズでわずかな酸味を添えた。

「ジャヌ パティスリー」 野口 ゆきえシェフの「フローラ」

ジャヌ パティスリー(麻布十番)の野口ゆきえシェフは、桃にフレーバーティーを重ねて。合わせたのは、中国の煎茶とジャスミン茶にライチ、グレープフルーツ、バラを配した紅茶「バリ」。「南国を想像させるような香りと桃の相性がとても良く、特別なひと時に華を添えられる」。桃のジュレとバニラのクリーム、ビスキュイで組んだシンプルな構成に、「花束」を意味する菓子の名を重ねた。

「パティスリー オンディーヌ」宮地 弘毅シェフの「シャルロット オリアンタル」

昨年8月に東麻布に開業したパティスリー オンディーヌの宮地弘毅シェフは、桃をオリエンタルな文脈で表現。白桃とライチのムースにアールグレイのジュレを重ね、上にはフレッシュな桃とライチをジュレで包んでのせる。最下層のビスキュイには白ごまのペーストを一層。動物性油脂を使わず太白ごま油で軽さを出し、噛んだ瞬間にごまの香りがラストノートとして立ち上がる。

酸味、香りで暑さをほどく

桃以外にも、この時期ならではの旬の果実も多数。パーク ハイアット 東京 ペストリー ブティックは、ジャスミンティーのクリームとパッションフルーツの酸味で宮崎マンゴーを主役に据えた「マンゴー ジャスミン シャルロット」。L’Orangerie 光庵/ザ・キタノホテル東京は、ホワイトポートワインのムースに生姜を効かせたマスクメロンのゼリーを忍ばせた「Charlotte au melon」を、レモングラスのソースとともに提供する。

ボーダレスな素材使いで、酸味、香りで暑さをほどく組み立ても見ものだ。
ラルチザン モデルヌ(東京・目黒)「シャルロット オ フレーズ マスカルポーネ」は、通常ババロアで組む部分をマスカルポーネのクリームに、バルサミコ風味のいちごのコンポートを合わせる。濃厚な乳の酸味に、同じイタリアの素材である酢の酸が輪郭を立てた。トッペン(滋賀・多賀町)「シャルロット・ピニャコラーダ」は、ホワイトラムで香りをつけたパイナップルにココナッツムースを重ねて。こちらはカクテルのピニャコラーダに着想をえている。

切り口を変えて、どう個性を出すか

イベントのアドバイザーを務める菓子研究家の大森由紀子氏は、テーマ選定の背景にシャルロットの来歴を置く。「フランス菓子の伝統菓子ではあるものの、その発端はイギリス」。18世紀後半から19世紀前半のイギリス国王ジョージ3世の王妃シャーロットにちなむとされ、原型はパンをバターに浸して焼き、ソテーしたリンゴを包んだアップルシャルロットだったという。

これをフランスに持ち込んだのが、「王のパティシエ、パティシエの王」と呼ばれたアントナン・カレーム。イギリスの皇太子にも仕えた彼は、絞り袋を考案してビスキュイの成形を確立し、中身をババロアに置き換えて洗練させた。「周囲を粉ものでかためて、中身が出ない構造。そこは受け継いでいただきたい。ただ芸術は前進なくして進みません。既存の切り口を変えて、それぞれの個性を出してほしい」と大森氏。

北陸支援・子ども食堂支援の輪

本イベントでは、今年も令和6年能登半島地震の被災地支援として「北陸支援」を掲げ、参加店の協力により能登産ブルーベリー、加賀棒茶、そば蜂蜜、珠洲の塩など北陸の食材を用いた特別なシャルロットも並ぶ。

震災直後から募金を集め、3,000万円超を石川県に寄付した辻口博啓シェフは3ブランドで参加。ル・ショコラ・ドゥ・アッシュの 川端 慎也シェフによる「シャルロット・ポワール」は、黒糖のようなコクを持つ能登のそば蜂蜜のクレームに洋梨のジュレとショコラのムースを重ね、外周のビスキュイにカカオハスクで香ばしさを添える。モンサンクレールは加賀棒茶×バナナ×ごまあん、ル ミュゼ ドゥ アッシュは柳田産ブルーベリーと生姜を利かせて、帽子を重ねたフォルムで表した。

親子向けのお菓子教室や2年目を迎えた子ども食堂支援プロジェクト、「スイーツ格言」の募集、公式Instagramのフォトキャンペーンなど、菓子文化を次世代へつなぐ取り組みも並走。同じテーマから488通りの解釈が生まれる、真夏の“食べ比べ”は7月31日まで。

LE CHOCOLAT DE Hの「シャルロットポワール」

◎ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2026
期間:2026年7月1日(水)〜7月31日(金)
参加店舗:全国488店(洋菓子店、ホテル、カフェなど)
提供形態:テイクアウト商品、イートインデザート、カフェ/ラウンジメニューなど。使用材料、価格、1日あたりの販売個数は店ごとに自由設定
全国の参加店リスト:https://x.gd/uiHSU

※「全国のフランス菓子店とパティシエを応援すること」「フランスの伝統菓子の魅力を再発見すること」をモットーに、2021年より開催しているパティスリーの祭典。
※ 昨年、世界で75 周年、日本で65 周年を迎えたダイナースクラブは、レストラン優待をはじめとしたグルメサービスや、旅、エンタメ、ゴルフなど幅広い分野で会員様をサポートするクレジットカード。

(料理通信)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。