GRAND VINTAGE 2006 × LE&(ル・アンド)Vol.3 活動レポート① 「LE& Gathering with Shinya Tasaki」 | 料理通信
1970.01.01
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気持ちよく晴れた日曜日の午後。東京・愛宕の「S+(エス・プリュス)」でシャンパンの魅力を巡るインティメイトなイベントが開催された。題名は「LE& GATHERING WITH SHINYA TASAKI」。ソムリエの田崎真也さんが中心になって企画された、スペシャルな食事会である。
タイトルの中に綴られた「LE&」とは、モエ・エ・シャンドンが、2014年6月9日から7月9日までの期間限定で、シャンパーニュ地方にオープンさせた体感型レストランのこと。スケールアウトした仕掛けや前衛的なクリエイションは、今や語り草になっている。その「LE&」の模様については、『料理通信』2014年10月号をはじめ、この「WEB料理通信」でも特集されているので再確認の意味でもご一読頂きたい。
田崎真也さんも、現地に訪れて「LE&」を体験している一人であるが、そのスペクタクルを共にした仲間たちと、「再びあの感動を分かち合いたい」という願いを込めて企画したのがこのイベントである。いわば、田崎版“LE&同窓会”といってもいいのだろう。参加したのは、「HAJIME」の米田肇さん、「AWキッチン」の渡邉明さん、「オレキス」の春藤祐志さん、「ランベリー」の岸本直人さん、「はし田 寿司 シンガポール」の橋田建二郎さんをはじめ、田崎さんと「LE&」を共にした仲間たちである。
全員が集まったところで、「モエ アンペリアル」で乾杯。甘美な泡で再会の歓びを味わった。その後、全員がシートに着いたところで食事会がはじまった。「モエ アンペリアル」に合わせたアミューズは4種類。柚子の香りが仕込まれた「フォワグラのマカロン」、「長良川のオアシス」は鮎に菩提樹の香りのエスプーマが添えられ、「ラクダのコブのブレゼ」には土の香りが芳しいマッシュルーム、「ウミガメのタルタル」にはスパイスのエッセンスが添えられた。「それぞれ皿の香りは、すべて「モエ アンペリアル」の持つアロマのエッセンスに重ね合わせています」と田崎さん。
続いて注がれた「グラン ヴィンテージ 2006」には「ウズラのクレーム・ブリュレ」が供された。「2006年の溌剌としたパワーにマッチさせた」と田崎さんが言うように、ダブル・コンソメの豊饒さとのマッチングは官能的でもあった。メインディッシュの「純血アグー豚のポトフ仕立て」には、田崎さんの隠し玉の「グラン ヴィンテージ コレクション 1996」がマリアージュされた。シャンパンに濃厚な豚肉というマッチングには一同が驚いたが、1996の酸化熟成香と還元香とのバランスが豚の野性味に見事にリンク。一同から思わず溜息が漏れた……。
「グラン ヴィンテージ 2006」に合わせたのは「ウズラのクレーム・ブリュレ ウズラのコンソメと共に」。ウズラの卵で作った茶碗蒸しとウズラのダブルコンソメの豊饒な味わいに、濃厚な2006がピッタリ。 |
「グラン ヴィンテージ コレクション1999」には「カニのカダイフ包み カニのヴルーテ添え」。野趣のあるワタリガニをカダイフで包んで揚げたものにヴルーテをかけながら食す。オリエンタルなニュアンスのある風味。 |
LE&の本質とは、持続可能な五感の未来へ模索を続ける、モエ・エ・シャンドンのスペクタクルの愉悦でもあるが、田崎さん流の見識と遊び心で、参加者たちはオクターブ上の境地へと導かれるようでもあった。一本のシャンパンを巡り集い分かち合い、そして五感の異次元へといざなうLE&。次はどんな仕掛けで私たちを驚かせてくれるのだろうか。
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GRAND VINTAGE 2006 × LE& ───────────────────────────────────