HOME 〉

JOURNAL / JAPAN

日本 [青森]  【10 Hands for AOMORI】

5店舗の料理人たちの青森県産地訪問記

Dec 10, 2020

お待ちかねの試飲タイム!特徴の異なる様々な「八仙」を味わいながら、真剣な様子のシェフたち。

2020年8月。東京の飲食店も先行きが見えない中「青森の食材、興味あります!使ってみたいです!」と立ち上がってくれた「au deco(オデコ)」をはじめ複数の人気店を手掛ける掛川哲司シェフ、「QUINDI(クインディ)」オーナー塩原弘太さん・安藤曜磁シェフ、「ドンシー レストラン&サカバ」境哲也シェフ、「falo(ファロ)」樫村仁尊シェフ、「リ・カーリカ」「リ・カーリカ ランド」の堤亮輔シェフ。これら5店舗で青森県の食材を使ってのフェアが開催中です(2020年12月現在)。
青森県の食材を知れば知るほど、産地に行ってみたいという気持ちが沸き上がってきます。コロナ禍では何度も生産者を訪問することは難しいため、候補日の中から、参加できる方が最も多い日で産地訪問をいたしましょうと日程調整をはじめた9月末。なんと奇跡的に11月、5店舗の皆さんが参加できる2日間がありました!!コロナ対策をしっかりした上で、産地訪問へいざ!

青森県食材フェアについてはコチラ



津軽伝統野菜 大鰐温泉もやし(大鰐町)

約400年前から温泉熱と温泉水のみを用いた土耕栽培により、地域在来種「小八豆(こはちまめ)」という門外不出の大豆から作る「豆もやし」と「階上早生(はしかみわせ)」という蕎麦の品種から作る「そばもやし」の2種類からなる大鰐温泉もやしは、一子相伝で栽培されてきた津軽伝統野菜です。現在は、若手生産者たちが頑張って栽培しています。


大鰐温泉もやし伝承後継者の一人、八木橋順さんは、冬野菜だった大鰐温泉もやしの通年栽培に挑戦。生産量も増えてきています。


大鰐温泉もやしは、生産から出荷までにかかる全ての作業に温泉水を使用、すなわち水道水を一切使用しません。


訪れた日は、大鰐温泉もやしの収穫直前。一番成長する時で、圃場を1分ほど見ていると「ぐん」ともやしがゆれて、伸びるのがわかります。


「土は1度使用したら全て掘り出して温泉水をかけて1年休ませます」と、プロジェクトおおわに事業協同組合副理事長の相馬康穫(そうまやすのり)さんが説明すると、シェフたちも、その重労働さがわかり「感謝を込めて、使ってみたいな」と興味津々です。



◎大鰐温泉もやし
http://www.town.owani.lg.jp/index.cfm/8,199,36,html



地域交流センター鰐カムでは、大鰐温泉もやし御膳と共に、弘前でつくられるシードルの試飲をしました。


相馬さんと、シードルアンバサダー佐々木なおみさんの説明から、それぞれのシードルがつくられるバックストーリーを知り、味わいの違いを感じて「これはドライで、食中酒としていいね」「むしろ甘い方が日本のシードルの特長が出ていいね」など意見が交わされました。

◎弘前シードル
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/sangyo/nogyo/apple/cider.html



青森シャモロック (大鰐振興 大鰐町)

続いて向かったのは、シェフたちが注目する青森県原産の肉用鶏、青森シャモロックの生産現場です。


産地訪問の前に、青森シャモロックを使った料理を試作済のシェフたち。どのように育てられているのか、大鰐振興営業部長・會津淳さんに伺います。


「青森県畜産試験場で20年もの歳月をかけ横斑シャモと横斑プリマスロックを交配させたのですが、味の良さを選抜しており、単なるかけ合わせではありません。F1種(雑種第一代)のみを『青森シャモロック』としているため、雄と雌の鶏舎は分かれます。大鰐振興では孵化から食肉加工まで全工程を行っています」。


気持ちの良い環境で青森シャモロックは育てられていることを体感したシェフたちでした。

◎(有)大鰐振興
http://www.o-wani-shinkou.jp/

青森シャモロックについてはコチラ



良酒一念 陸奥八仙 (八戸酒造 八戸市)

津軽を後にし、一行は太平洋に面する東部の主要都市八戸に向かいました。最初に訪れたのは、青森の銘酒「陸奥八仙」をつくる八戸酒造。元文年間(1740年代)初代駒井庄三郎さんがここ、陸奥の地で酒造りをはじめて以来、8代目庄三郎さんが現在の代表を務めています。


9代目となる駒井秀介(こまいひでゆき)さんは、八戸酒造をもっと多くの方に楽しんでいただけるようにと、世界を股にかけて活躍しています。


杜氏として酒造りを担っている弟の伸介(のぶゆき)さんは、ビール酵母を使うなど、新しい日本酒造りにも挑戦し続けています。昨年リリースされた酒造好適米「吟烏帽子」をはじめ、青森県産の米と酵母を活かした酒造りをしている八戸酒造。地元蟹沢水源区域の環境保全への協力、蟹沢地区の田んぼの再生、そこでつくられた米でオリジナルの自然酒を造る「がんじゃ自然酒倶楽部」という活動や歴史的建造物である蔵を文化振興のために開放し、様々な催し物も開催しています。


タンクの中でフツフツと発酵している日本酒の香りをかぎ「生きてるんだね」「呑むのが楽しみだな」と覗き込みます。



お待ちかねの試飲タイム!特徴の異なる様々な「八仙」を味わいながら、真剣な様子のシェフたち。


◎八戸酒造(株)
https://mutsu8000.com/



無農薬ハーブ (みどりの里 東北町)

2日間でできる限り多くの生産者を訪ねるべく、八戸から北上し、城北地方に位置する東北町へ。農薬、化学肥料を一切使用せずハーブ類を栽培する「みどりの里」にお邪魔しました。

「地元の牛や豚の糞を完熟堆肥にした上、農園で寝かせてから年2~3回畑に土を入れます。12棟のハウスで、年間を通じて50種類程度のハーブ類やトマト、減農薬でにんにくを栽培しています」と、「みどりの里」代表の中村巧さん。


「これからは、飲食店の声を聞き、需要に合わせた栽培もしていきたいと思っています。5月ゴールデンウィークの頃には、ハウスの周りや自社で所有する山で山菜が採れます」シェフたちは山菜にも興味津々。ぜひ仕入れたいので連絡くださいねと皆、中村さんと約束を交わしていました。


「サラダセットは、井戸水を使用し30分程度浸水させてから出荷するため、1週間くらいはピンピンしています。東京に帰ってからすぐに食べずに、ぜひ何日間か冷蔵庫に入れておいて下さい」と中村さんからシェフたちに手渡されました。

◎みどりの里
http://midori-no-sato.net/index.html



小川原湖のしじみ、しらうお、わかさぎ、モクズガニ
(小川原湖漁業協同組合 東北町)

小川原湖は、八甲田山系の川の水と潮の干満により太平洋の海水が入ってくる青森県最大の汽水湖。しじみ、しらうお、わかさぎ、モクズガニなど湖の恵みが豊富で「宝湖」と呼ばれるほどです。


気持ちの良い快晴に恵まれ、シェフたちは小川原湖を望みます。


「小川原湖のしじみは平成29年にGIを取得しました。ですが、あまり知られていないようです」と小川原湖漁業協同組合の細井崇さん。


数は少ないけれど、4Lという大きなしじみもあります。


しらうおや、わかさぎは11月に漁期をむかえているので、これはとても新鮮なものです。


上海ガニの仲間であるモクズガニは、少し獲れる時期がずれてきており、11月中旬以降になりそうです。安心な青森県小川原湖産のしじみやしらうお、わかさぎなどを是非召し上がって下さいという言葉に、シェフたちの脳内調理は始まっているようです。どんな料理になるのか楽しみです。

◎小川原湖漁業協同組合
http://www.jf-ogawarako.com/



樹齢は100年以上
百年紅玉 (山田農園 三戸町)

果樹は大抵20~25年で新しい樹に植え替えると言われていますが、青森県三戸町の山田農園には樹齢100年を超える紅玉があります。なぜ100年を超える紅玉があるのか、山田農園の跡継ぎである5代目 山田美貴子さんに伺いました。


「40~50年ほど前、サンふじというリンゴがとても売れる時代があり、多くの農家さんがサンふじに切り替えていきました。その時私の祖父である3代目が、紅玉を栽培し続けようと決断しました。組合から紅玉が欲しいと依頼があったからなど、理由は一つではなかったとは思います。結果的に、現在栽培されている紅玉とは異なる、品種改良される前の紅玉が残りました。私は祖父の決断を誇りに思っています」。


「酸味がやさしい100年紅玉。鳥はあまり紅玉を食べないと言われますが、この紅玉は鳥さんたちも美味しいと思うようで、食べられてしまいます」と優しく美貴子さんは笑います。

◎山田農園
FAX 0179(22)2732



<参加したシェフより>

「au deco(オデコ)」掛川哲司さん


「今回訪問した全ての生産者さんが素晴らしかったです。若い頃に青森を旅して以来の訪問ですが、嬉しい出会いでした」。

◎au deco(オデコ)
東京都渋谷区恵比寿2-23-3
☎050-5456-0546
18:00~23:00 LO
日曜休
東京メトロ広尾駅より徒歩7分
https://ggp5200.gorp.jp/



「QUINDI(クインディ)」塩原弘太さん


「大鰐温泉もやしは特に興味深かったですね。100年紅玉も、美貴子さんのおとうさん、4代目敏実さんが素敵でした」。

◎QUINDI(クインディ)
東京都 渋谷区上原2-48-12 東洋代々木上原コーポ101
☎03-6407-0703
11:30~14:00 LO / 18:00~22:00 LO
無休
小田急線・東京メトロ代々木上原駅より徒歩3分
http://www.quindi-tokyo.net/



sequence MIYASHITA PARK内レストラン
「Dōngxī Restaurant & Sakaba(ドンシー レストラン&サカバ)」境哲也さん


「八戸酒造も面白かったです。今回が初、青森でした。豊かな産地ですね」。

◎sequence MIYASHITA PARK内レストラン
Dōngxī Restaurant & Sakaba(ドンシー レストラン&サカバ)

東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North 5F
☎03-6712-5730
7:00~11:00 LO / 11:30~14:30 LO / 18:00~22:00 LO
無休
各線渋谷駅より徒歩7分
https://dongxi.tokyo/



「焚き火イタリアン falo(ファロ)」樫村仁尊さん


「僕も初青森でした。特に印象深いのはみどりの里。もう出荷されないトマトが畑に実っていたので、送ってもらうことにしました。絶対美味しいパスタソースができる!」(その後言葉通り美味しいパスタソースになって通販商品に)

◎焚き火イタリアン falo(ファロ)
東京都渋谷区代官山町14-10 LUZ代官山B1F
☎03-6455-0206
17:00~23:00 LO(日曜、祝日は15:00~21:00LO)
木曜休
東急線代官山駅より徒歩3分
https://falo-daikanyama.com/



「リ・カーリカ」堤亮輔さん


「青森は素晴らしい生産者だらけですね。大鰐町の鰐カムで売っていたキノコたちも旨そうだった。焼いて食べたくなりました」。

◎リ・カーリカ
東京都目黒区鷹番2-16-14 B1F
☎03-6303-3297
17:00~23:00LO(日曜は15:00~22:00LO)
無休
東急線学芸大学駅より徒歩3分
https://tabacchi.co.jp/ri-carica/

◎リ・カーリカ ランド
東京都目黒区鷹番1丁目4−9 小山ハイツ 1F
☎080-7279-2233
9:00~11:30 LO / 12:00~14:00 LO / 18:00~23:00 LO
ショップ 9:00~23:00 LO
東急東横線学芸大学駅から徒歩8分
https://tabacchi.co.jp/ri-carica-land/





料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。

JOURNAL / JAPAN