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JOURNAL / 世界の食トレンド

Germany [Hamburg]アウトドア派のコーヒー好きが探求、サステナブルなインスタントコーヒー改革

2023.05.11

Germany [Hamburg]アウトドア派のコーヒー好きが探求、サステナブルなインスタントコーヒー改革

text by Hideko Kawachi / photographs by BLAEK(photo1,2,4), Hideko Kawachi(Photo3)

ドイツ人のコーヒー消費量は水よりもビールよりも多く、右肩上がりを続けている*。そんな中、2022年、味にこだわったスペシャルティ・インスタントコーヒー「ブレイク(BLAEK)」が登場し、注目を浴びている。


ブレイクは、ドイツ北部の都市ハンブルクに拠点を置くスタートアップ。巨大な貿易港を持つ港町では古くからコーヒー豆の輸入が行われており、1668年、ドイツで最初にコーヒーが飲まれた場所としても知られている。

「サステナビリティを考えたらインスタントコーヒーに辿り着く」と話すのは、ブレイクの創業者の一人、エドガー・キルストさんだ。エドガーさんとパートナーのルイス・ヘルゲットさんは、アウトドア派でコーヒー好き。ヨットや登山の合間にインスタントコーヒーを試したところ、ドイツ市場にはおいしいものが存在しないことに気がついた。
「お湯さえあればどこでも飲めるという気軽さと、洗練された味を両立させられたらとアイデアが広がったのです」

フリーズドライの機械を購入し、実験を重ねて製品化できると確信した2人は、製造に乗り出した。ハンブルクに届いたフェアトレードの生豆を、焙煎から製造加工までこの町で行い、カーボンフットプリントを極力削減。特殊な抽出方法で製造したインスタントコーヒーは、エスプレッソやドリップに比べて、コーヒー1杯を作るために必要な豆の量が少なく、廃棄物(コーヒーかす)も少ないという。製造過程で出るコーヒーかすは、燃料や家具の材料などにも再利用される。
「それにコーヒーメーカーでは、コーヒーを大量に淹れて余らせてしまいがち。インスタントコーヒーなら飲みたい量だけ作ることができるので、結果、ゴミは少なくなります」

唯一の問題はパッケージ。湿気に敏感なので、アルミニウムやフィルムなど複数の素材を組み合わせて個包装されることが多いのだが、ブレイクではリサイクルしやすい単一素材を採用して問題を克服。100g入りはリサイクル可能な茶色いガラス瓶を使った。

セレクトショップやアウトドア専門店などを中心に展開し、じわじわとファンは増加中。ドイツ国外でも販売が始まっているそうだ。

*市場調査機関Marketagent.comの2019年の調査より

(写真トップ)ブレイクはリサイクル可能な紙箱入り。ジーンズのポケットにも収まるサイズにこだわった。微細で溶けやすく、70℃前後のお湯で淹れるのがもっとも香り高く仕上がるという。ブレンドは3種類、デカフェもある。3.99ユーロ〜/7包。

(写真)セレクトショップなどでも展開。ベルリンの「MUJI」でも取り扱いがある(2023年4月現在)。地元のコーヒーロースターとのコラボレーションも打診中だという。

(写真)セレクトショップなどでも展開。ベルリンの「MUJI」でも取り扱いがある(2023年4月現在)。地元のコーヒーロースターとのコラボレーションも打診中だという。

(写真)ドイツには冷たいコーヒーを飲む習慣はあまりないが、これから夏に向けて、コールドブリュー並みのまろやかな味わいのアイスコーヒーが、冷水で簡単に作れることもアピールしていきたいそうだ。

(写真)ドイツには冷たいコーヒーを飲む習慣はあまりないが、これから夏に向けて、コールドブリュー並みのまろやかな味わいのアイスコーヒーが、冷水で簡単に作れることもアピールしていきたいそうだ。



*1ユーロ=147円(2023年4月時点)

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