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JOURNAL / 世界の食トレンド

Italy [Milano]オッソブーコがチーズケーキに?イタリア郷土の味を取り入れたチーズケーキ専門店

2023.03.20

Italy [Milano]オッソブーコがチーズケーキに?イタリア郷土の味を取り入れたチーズケーキ専門店

text by Yuko Suyama

2022年12月、ミラノ市内東のヴィトリア地区に、イタリア初チーズケーキ専門店「ネヴェラータ(Nevelata)」がオープンした。「クラッシックなチーズケーキをベースに、マスカルポーネやゴルゴンゾーラ、ブッラータなど個性豊かなイタリア産チーズを活用し、独創的なイタリア風チーズケーキを作りたい」と、オーナーのマルコ・チェントンツァさん。アメリカ各地や日本を旅してヒントを得たと語る。

ミラノに戻った彼は、パティシエと共にIGP(地理的表示保護)など厳選した食材と数々のチーズを組み合わせ、試作、微調整を重ねてチーズケーキの新しい味わいを探求。出来上がったメニューは、イタリアの代表的な地方料理・菓子から生まれた。例えば「ミラノ風」は、サフラン入りリゾットをタルト生地に混ぜ、野菜入りオッソブーコ(牛スネ肉の煮込み)をトッピングした塩味バージョン。「シチリア風」は、カンノーリの外側を砕いて生地に混ぜ込み、羊乳のリコッタクリームにIGPモディカチョコレートをトッピングした。

豆乳ヨーグルトをベースにしたクリームとカカオ72%のチョコレート、ピエモンテ産トンダ・ジェンティーレ種のヘーゼルナッツの組み合わせ

(写真)豆乳ヨーグルトをベースにしたクリームとカカオ72%のチョコレート、ピエモンテ産トンダ・ジェンティーレ種のヘーゼルナッツの組み合わせ。

他にも、ヴィーガンやベジタリアンのために、食物油で作るタルト生地や、豆乳ヨーグルトをベースにしたクリーム、72%のカカオ入りチョコレートとピエモンテ産ヘーゼルナッツクリームのジャンドゥイアなども並ぶ。

ショーケースには、毎日フレッシュな塩味甘味、それぞれ7種ずつを準備。売り切れると、奥の工房から出来立てのチーズケーキを補充する。またバージョンアップした新顔チーズケーキも続々と企画中だそう。明るい店内には30席を設え、チーズケーキの新しいおいしさを目当てに、連日カップルや家族連れで賑わっている。

(写真トップ)「プーリア風」はバジル入りのタラッリ(プーリア州の伝統菓子)を砕いて生地にし、ブッラータを混ぜ込んだクリーム、トッピングにプチトマトのコンフィを。店内では人肌に温めてサービスする。

イタリアでもチーズケーキといえば甘いもので、塩味は新しい領域

(写真)イタリアでもチーズケーキといえば甘いもので、塩味は新しい領域。好奇心の強いミラノならではの店だ。

朝食からランチ、ティータイムはもちろん、夕方からはアペリティーヴォも楽しめる

(写真)朝食からランチ、ティータイムはもちろん、夕方からはアペリティーヴォも楽しめる。週末ブランチも好評だ。



◎Cheesecakeria italiana Nevelata
Via Pietro Calvi 29, 20129 Milano
☎+39-02-97108721
9:00〜20:00、ブランチ11:00〜15:00(土曜、日曜のみ)
月曜休
1ピース 7.5~9.5ユーロ(予約すれば5〜6人用や10〜12人用のホールも注文可)
ブランチ 25ユーロ
https://nevelata.com/

*1ユーロ=143円(2023年2月時点)

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