Spain [Madrid]
華麗なる転身、「コケ」の挑戦
2019.03.06
-
2018年はスペイン国内では豪華なレストランの登場が目立った1年だったが、中でもマドリードに進出したサンドバル三兄弟の「コケ」は、その高級感が同業者にも衝撃を与えた一軒だ。それまで郊外の小さな町ウマネスで二ツ星を獲得していたが、両親から続いた店を、三兄弟で首都のど真ん中で世界レベルにしようと決意した。
コケワールドの体験は、まずは地下のバーでカクテルとフィンガーフードから始まる。続く3000種、2万3000本が眠るボデガ(酒蔵)でシェリーとハモンのタパスを堪能し、さらに半地下に移動。教会の聖器室を模した空間はドン・ペリニヨンに捧げてあり、世界で一本しかないドンペリなどを眺めつつ、シャンパンとシャンパンベースのアペリティフを。余韻を楽しみながら地階の厨房も周り、サロンに着席すると、酸味や辛味といったアクセントを効かせ、素材とソースのバランスが取れたシェフ、マリオの世界観が展開される趣向だ。
市内一等角地で最高級レベルの店づくりに、早くも三ツ星昇進の噂で持ちきりだ。
(『料理通信』2019年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ COQUE C/Marques de Riscal, 11, Madrid
☎+34-916-040202
13:30~17:00、20:30~24:00 日曜、月曜、土曜昼休
text by Yuki Kobayashi
JOURNAL / 世界の食トレンド
JOURNAL / 世界の食トレンド